みなさん、こんにちは。じゃらん編集部のたかちです。
普段は、情報誌やネットで「わくわくする旅情報」を読者に届けるため、全国のご当地ネタを探しております。
特に難しいのが、ご当地グルメ。現地に行かないとわからないことも多く、本やネットにはなかなか情報が落ちていないのです…。
「いやしかし、フォーリンデブさんのブログは、まじでネタの宝庫だなあ…」
「お店とかいつもどうやって探してるんだろ…。ものすっごい地元のネットワークがあるとか?フォロワーから集めてるとか?」
そのすさまじいネタの強さ、どこから情報を仕入れてるのか…気になって気になって仕方がなくなったので…
ご本人に聞いてきました
フォーリンデブはっしーさん
ライブドアブログ グルメ部門1位である「イエス!フォーリンデブ★」主宰のグルメブロガーさんです!
――お忙しい中お時間いただきありがとうございます。しかも、とっても素敵なお店までご予約くださって…!
――はっしーさんのおめがねに合うお店をご用意できるか、とても不安だったので助かりました(笑)
はっしーさん「とんでぶありません、どうぞよろしくお願いします」
美味しいお店のリサーチ方法って?
――さっそくですが、東京だけでなく全国各地のグルメもブログに書かれていますよね。いつもどうやってネタを探されてるんですか?
はっしーさん「いや、食べログですごい調べますね」
――た、食べログですか…!
はっしーさん「食べログの3.3~3.0に名店がたくさんあるので、点数が高いところは逆に無視しています。点数が高い=色んな人の総合平均点なので、無難なところが多いんです。
あと、ガイドブックに載っているお店は有名店がほとんどですよね。旅の思い出って結構美化されがちなので、みなさん悪い点数つけないんですよ。そうすると有名店ばかりが上の方にいってしまう。
そうした中、地元の人が本当に行っているお店が3.3~3.0のあいだにすごい眠っているんです」
――地元の人が5.0をつけている場合はないのでしょうか?
はっしーさん「これは食べログの評価方法がカギなんです。色んなお店を行きつくしたレビュー総数の多い人が投稿する点数は反映されます。逆に、地元のお店くらいしかコメントを入れていない人がいくら満点入れたとしても、お店の評価点数は5.0にはならないんですよ」
――そうだったんですか!いや、勉強不足で失礼しました。
はっしーさん「意外と知られていないんですよね。例えば、ぼく今週末清水に行くんですけど、食べログで「清水 半径1キロ以内 予算7千円以内」とかで設定すると、ざっと出るのが100件くらいしかないんですよ。
100件くらいの3.3~3.0の間をちょっと開いて写真を見ると、写真だけで別格のお店があったんです。総合平均点が3.1くらいなんですけど。5件レビューが入っていて、5件とも4.0とか4.5とかばっかりなんです。にも関わらず総合平均点が3.1になるのが“食べログマジック”と言われるものですね」
――最近、その方法で見つけた美味しいお店って他にありますか?
はっしーさん「長野県松本市の「手打ちそば純」ってお店で、当時3.0くらいで僕が4.2つけちゃったんで上がっちゃったんですけど(笑)、豆腐が自家製だったり。特に出汁巻き卵が東京のどのお店で食べるよりも美味しかったです」
印象に残るご当地グルメは?
――今まで食べて特に印象的だったご当地グルメ…ぜひ教えてください!
はっしーさん「そうですね、ご当地グルメいっぱいありますけど……北海道帯広の豚丼とかやっぱりいいですね。素晴らしかったです!昼から3軒はしごしました(笑)」
――その記事、拝見しました。戦ってましたね(笑)
はっしーさん「全部のお店で特大サイズを頼んでしまったので、あれは結構きつかったですね。でも、タレを香ばしく炙るというか、ご飯と最高のマッチングで。最近、東京でも帯広豚丼を出すお店が増えてきていて、もう、ご当地グルメの東京進出の代表なんじゃないかと思ってます」
はっしーさん「あとは、新潟の「タレカツ丼」。すごい技術が詰まってました。
衣も薄い衣にしているからこそ、タレをまとわりつけ過ぎず、さらっと軽くまとってサクサク感が生きていたり、中の肉もしっとり柔らかめに仕上げていたりだとか。全然しつこくないんですよ」
――どれも美味しそうです…!はっしーさんにとって、わざわざ現地に行って食べる良さってなんでしょうか。
はっしーさん「ご当地グルメって本当に地域の色が出ますよね。その土地に根付いているものだからこそ、その土地の歴史と技術の結晶だなと。もちろん東京でも各地のご当地グルメが進出してきていて、いろいろ食べられるようになってきましたが…。
現地に行ってその本物を食べて、そしてその土地の人たち――例えば食堂のおばちゃんとも話して触れ合って、それをひっくるめて「本当のご当地グルメ」なんじゃないかと思っています」
ご当地グルメは「ご当地体験」から!
――最近、名産物の何かと何かを掛け合わせる、ハイブリッドご当地グルメが流行ってきていますね。
はっしーさん「それも話題になるので良いと思いますが、なんにせよやっぱりその土地に根付いてるからこその意味があるんじゃないかなと。まだまだ気づかれていないご当地グルメってたくさんあると思っていて……先ほどの食べログの話にも通じますが。
現地の人が本当に通っている良いお店がまだまだ眠っているので、こういう時代だからこそ、本やSNSをうまく使って、情報をどんどん洗い出していけばいいですよね。
その土地の人からすると当然のものなんだけれど、都会の人からすると「え~!」みたいな目からうろこみたいな話はまだたくさんあるので、そういうものを見つけて情報提供していきたいです」
――ご当地グルメだけでなく、ご当地体験も最近重視されていますが。
はっしーさん「これだけSNSが発展すると、情報が面白ければぶわっと広がりますもんね。群馬のみなかみにある「ひがきホテル」の若旦那は面白かったです。温泉街のさびれたスナックを一晩で4件一緒に梯子するツアーを立てていました。
スナック行ったら地元名物のおばあちゃんが出てきたり、料理を出さないスナックで食べる、中華料理屋の出前がすごい美味しかったり…。もう地元感が満載なんですが、若旦那のネットワークあってこそのツアーが素晴らしかったです!その中で食べたご当地グルメって印象に残るんですよね」
――へええ、知らなかった…すごい面白いですね!
はっしーさん「本当に、体験ですよね。ご当地グルメも含め、その土地ならではの体験をいくつ旅行で体験できるかが大切だと思います」
Jリーグスタジアムはご当地グルメの宝庫
――他に、美味しいご当地グルメを見つけられる方法はありますか?
はっしーさん「Jリーグの『スタジアムグルメ』はぜひ、注目していただきたいです。親膳大使をさせてもらっているので、よく行くのですが…。Jリーグって地域密着型なので、地域の美味しいお店を地元ネットワークで連れて来れるんですよね。なかなかイベントに出店しないような美味しい有名な老舗店のグルメが食べられちゃうんです。もはや、Jリーグのスタジアムはご当地グルメフェスと化しているんですよ」
――ご当地グルメフェス…ですか!ただ、なんとなくJリーグって「地元の人だけのもの」という印象があり、旅とは結びつかないような…。
はっしーさん「ホーム戦で応援する地元のサポーターはもちろんいらっしゃいますが、アウェイサポーターが遠征しに行く…というケースで旅と言えると思います」
――ということは、やはりサッカー観戦を目的に行く人が多いんでしょうか?
はっしーさん「当然そうなのですが、とはいえ、サッカー好きじゃないとハードルが高いですよね。だから最初はサッカーがそこまで好きじゃなくても、「自分の地元のクラブチームが遠征に行くから応援する」ぐらいがちょうどいいのかもしれないです。まずはスタグルがきっかけでも良いんじゃないかなと。
例えば、ぼく横浜出身なんですが、マリノスやFC東京がどこかに遠征していて、「旅行もしたかったし、ついでに地元のクラブチームを応援しにいくか!」くらいで行くのが、心の負荷が少なくていいと思います」
――そのくらいの気持ちで参加してもいいなら、気軽に行けそうですね。
はっしーさん「うん、全然大丈夫ですよ。旅の計画をするのはちょっと面倒だけど、チームが遠征するんだったら行こうか…みたいな旅のきっかけにもなると思います。それに、サッカー観戦だけでなく、地元グルメ・近くの温泉などを含めトータルで楽しめるんですよね。総合レジャーと言えると思います」
――ただ初心者がサポーターの中に入り込むには勇気が要りそうです…。
はっしーさん「ゴール側でなくて、メインスタンドであれば問題ないですよ。あまり気後れせず、ご当地グルメを楽しむだとか、みんなでユニフォーム着て一致団結している雰囲気を味わうだとかでいいと思います」
スタグルは安くて美味しい!
――会場の雰囲気のほかに、スタグルの魅力ってなんでしょうか。
はっしーさん「先ほどもお話したように、クラブチームのネットワークでスタジアムには地元のいいお店が集まるんです。それも「あのクラブのためだったら協力するよ」という感じなので、純粋に利益じゃなくて気持ちでやってくれている印象がありますね。だから価格も安いし、手が込んでいる。知らなかったご当地グルメにも出会えると思います」
――いいこと尽くしですね…!印象的だったスタグルはありますか?
はっしーさん「色々あるんですが、鹿島ですかね。鹿島ってすごいスタグルに力を入れていて、スタジアムを作る時に敷地内で火を使えるようにしたんですよ。全国的にもスタジアム内で火を使える鹿島はめずらしくて、他は近くの広場とかで出店しているケースが多いんです」
――へええ!アツアツも食べられるし、盛り上がり感も伝わりますね。
はっしーさん「そうそう!で、すぐ歩けば席なので。鹿島のご当地グルメであるもつ煮もアツアツで食べられるという。あ、あと、ハム焼きがすごく美味しかったんです」
――ハム焼きですか。
はっしーさん「お肉の卸し屋さんがやっている「五浦ハム」です。普通ハムってパサついているのが多いと思うんですけど、めちゃめちゃジューシーで。口に入れた瞬間じゅわって肉汁があふれてきて、そんな肉の塊がごろごろと串刺しになっているハム焼きがあって。それは鹿島でしか食べられないなと思いました」
「スタグル旅」は、ご当地グルメを楽しむだけじゃない!
はっしーさん「スタグルって、お店、クラブチーム、地域、サポーターのすべてにいい循環をもたらしているんです。美味しくて安くて、あまりイベントに出店しないような地元のいいお店が集まっているので、サポーターは何重にも嬉しいですよね。地域やチームにとっても、集客の起爆剤になったり、売上の一部をお店からいただくことでクラブチームもまたいい企画を打ち出せたりしますし」
――最高ですね!
はっしーさん「本当にそうなんですよ。で、ちょっとこれからまじめな話になっちゃうんですが、スタグル旅って「“誰かの役に立つ喜び“を得られる旅」なんじゃないかとも思っています。今の時代、結構孤独感を感じている人も多いですよね。
そんな中、地元のクラブチームを応援しに行くだけで、サッカー選手や地域の人の役に立っているような感じがして、そして共通の想いを持った仲間たちがいて。
ご当地グルメを食べて、温泉に入る旅のついでにスタジアムに立ち寄って、応援して、役に立った感をもらうとか。そんな気軽さがいいんですよね」
――安くて美味しいご当地グルメが楽しめて、旅先の役にも立てる「スタグル旅」。ぜひ行きたいです!本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
**********インタビューを終えて
今一番ホットなグルメブロガーである、フォーリンデブはっしーさんにお話を聞いてきました。
美味しいお店の探し方から注目のスタグルまで、とにかく夢中で食べながら、目から肉汁、いや、目からうろこの情報ばかりで聞き入ってしまいました!
アテンドしてくださった銀座の飛騨牛焼肉のお店も、本当に美味しかったです…(ありがとうございました)
さて、ここからちょっと宣伝っぽくなってしまいますが(笑)、
リクルートのサービスである「Jマジ」とスタグルの相性ってとっても良さそうだなーと感じました。
https://www.jalan.net/jalan/doc/etc/jmaji20/
19~20歳はJリーグ観戦が無料…!
惜しくも対象年齢からは外れておりますが、後輩でも誘っていきたいところです。
みなさまもぜひ、若者を誘って行ってみてはいかがでしょうか!
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi