京都は、日本の古き良き文化の残る古都として、世界的にも有名な観光都市です。
さまざまな謂われや伝説の残る歴史的な建造物を見に、毎年数多くの方が訪れています。
しかし、これだけの神社やお寺があると、どこを訪れてよいものか、色々目移りしちゃいますよね。
そこで今回は、京都の“碁盤の目”から少し視線をずらして、桂川の西側、嵐山のすこし南側のエリアにフォーカスしてみたいと思います。
嵐山、嵯峨野、保津峡と、洛西エリアには明媚な観光スポットが多々ありますが、ここでは、季節の虫の音色に耳をすませながら、穏やかに自分の心と向き合える、竹林の名刹「鈴虫寺」を中心に、周辺スポットも含めてご紹介していきます。
鈴虫寺
京都の嵐山で、一年中、鈴虫の音色を響かせながら、人の願いをやさしく繋ぐ
天龍寺やトロッコ列車で知られる嵐山地区。その南側のエリアにひっそりと佇んでいるのが、禅宗・臨済宗に属する「鈴虫寺」です。「妙徳山 華厳寺(みょうとくざん けごんじ)」いう正式名称を持つこのお寺の建立は、江戸時代中期の享保8年(1723年)とされており、300年近くの歴史を持つことでも知られています。
嵐山エリアといっても、中心部からは少し離れたところにあるため、あたりも静か。そこへ聞こえてくるのが、鈴虫の音色です。鈴虫寺では数多くの鈴虫を飼育しているので、四季を通して、その音色を楽しむことができるんです。
このお寺へは、嵐山駅から出ている京都バスの63、73番線「鈴虫寺ゆき」を利用すれば、15分程度でアクセスできます。また、駐車場として60〜70台分のスペースが用意されています(混み合う場合もあるので、なるべく公共の交通機関で向かわれることをオススメします!)。駐車代も500円とリーズナブルな上に、拝観料も大人500円、子供300円と安いので、お財布を心配せずに足を運べますね。
松尾山麓の美しい自然に抱かれた「鈴虫寺」。多くの人の心を惹き付ける、その豊かな魅力を、これからご紹介していきます!
恋愛のパワースポット
お守り・お地蔵様・ご住職の説法と、あなたに幸せ、お裾分け
茎が四角や三角の変形竹など、さまざまな見どころのある鈴虫寺ですが、なんと言っても注目は、黄色いお守りとお地蔵様、そして、ご住職のご説法です。開運・良縁祈願に多くの参拝者が足を運ぶこの鈴虫寺の魅力、ちょっとのぞいてみましょう!
幸福お守り
鈴虫寺のお守りは、黄色いお守りで「幸福御守」と書かれたものが有名です。このお守りには、幸福地蔵様のご化身が入っています。このお守りをいつも携え、常にしあわせと共にありたいものですね。
その他にはお札もあり、ご自宅やオフィスなどにお祀りの上、朝に夕に手を合わせれば御利益をいただけるとのこと。心穏やかにゆっくりと手を合わせる、そんな時間をつくることで日常が少し豊かになる気がしますよね。
鈴虫説法
「リーンリン」と鈴虫の鳴き声が響く書院の中で、ご住職をはじめとした鈴虫寺のお坊様による「鈴虫説法」が行われます。100人は入ろうかという広間で行われる、このご説法では、お寺のことやお参りの仕方、日常の心の持ち方などを聞かせてもらえるのですが、これがまた面白いんです!
ユーモアたっぷりのお話を聞き終えたら、来た時よりも、なんだか心がふっと軽くなっているみたい。そんな感覚、ぜひ、みなさんも味わってみてください。
わらじを履いたお地蔵様
鈴虫寺の石段を登った先には、「幸福地蔵」と呼ばれるお地蔵様が立っています。このお地蔵様は日本に数あるお地蔵様の中でも唯一「わらじ」を履いているということで有名。
なんと、このお地蔵様は、「幸福お守り」を通して願ったことを、歩いて叶えにやってきてくれるというのです。だから、たくさん歩けるようにと、ぞうりを履いているんですね。なっとく。
お祈りの方法や願い事の唱え方については、参拝時にお坊さんが説法を授けてくださいます。真摯に聞いて、正しい手順でお願いしましょう。その手順は、次のとおりです。
(1)ご説法を聞いてから、「幸福お守り」を購入。
(2)お地蔵様の前で手を合わせます。その際、合わせた掌の中には、「幸福お守り」を。
(3)願い事を心の中で唱え、しっかりと自分の名前・住所をお伝えします。
特に、お地蔵様が迷わないように、住所はきちんと唱えましょう!
そうして、お地蔵様が願い事を叶えに来てくれたら、お守りを返しに鈴虫寺を再び訪ねましょう。その際には、しっかりお礼を添えて。そうしたら、また新しい願い事をすることができます。
このように、鈴虫寺は恋愛成就のパワースポットとして大人気なのです。
しかも、一説にはその恋愛成就率は80%という噂まであるほど! もし、今、恋愛でちょっと悩んでいる…ということがあれば、京都旅行の際に鈴虫寺を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと願いを叶えに、お地蔵様が来てくださるはず。
[TEL]075-381-3830
[住所]京都府京都市西京区松室地家町31
[拝観時間]9時~17時(最終受付16時30分)
[拝観料]大人500円、子供300円(4才~中学生)※茶菓子付き
「鈴虫寺」の詳細はこちら
足を延ばして、ちょい旅プラス!
天龍寺
嵐山観光の大定番!鈴虫寺に行く際には、こちらにもぜひ立ち寄ってみて!
鈴虫寺は、嵐山エリアの中でも少し離れ場所にあるため、京都駅周辺や四条などのスポットを同日に観光するのは少し大変かもしれません。そこで、嵐山地区の他の観光スポットに、ゆったり足を伸ばしてみるのがオススメです。
天龍寺は、嵐山の観光スポットの中でも、庭園の美しいお寺として有名です。この「曹源池庭園」は暦応2年(1339年)の創建当時の面影をとどめ、日本で最初の史跡・特別名勝指定を受けています。四季を表現する非常に優雅なこの景観は、京都・嵐山へ訪れたなら、必ず見ておきたいですね。
また、庭園以外にも、法堂の「雲龍図」も押さえておきたいところ。これは、1997年に、開山・夢窓国師650年遠諱記念事業として、日本画家・加山又造画伯(1927~2004)の手によって制作されたもので、天井いっぱいに墨色で描かれた龍は躍動感にあふれ、観た人の心に畏敬を感じさせる名作です。公開日は、土日祝と特別参拝期間のみとなっています。
[TEL]075-881-1235
[住所]京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
[参拝時間]8時30分~17時30分 ※10月21日〜3月20日は17時に閉門
[参拝料]「庭園(曹源池・百花苑)」高校生以上500円、小・中学生300円、未就学児無料、他
「天龍寺」の詳細はこちら
松尾大社
お酒の神様として仰がれる神社。「お酒の資料館」では文化とお酒について学べます!
松尾大社は嵐山駅と鈴虫寺のちょうど間にある立地で、立ち寄るのにオススメのスポット。古くは松尾神社と呼ばれ、社殿の造営に関しては大宝元年(西暦701)にまで遡るとも言われている、非常に豊かな歴史を留める神社です。
その一方で、庭園「松風苑三庭」は現代庭園で、1975年完成と比較的新しいものですが、堂々とした景観で、グッとひき寄せられる迫力に満ちています。
また、この神社は酒造の神がいらっしゃるということでも有名です。これは、もともとこの神社を起こした秦氏が酒造りの得意な一族であったことが由来とされ、お酒に関連する企業や酒蔵が毎年酒樽を奉納しています。お酒好きの方であれば、ぜひ立ち寄ってみたい神社ですね。
[TEL]075-871-5016
[住所]京都府京都市西京区嵐山宮町3
[拝観時間]5時~18時(受付終了16:00)
[拝観料]無料
※「お酒の資料館」は松尾大社の敷地内にあります(入場無料)
「松尾大社」の詳細はこちら
※この記事は2015年11月時点での情報です
じゃらん編集部
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