精進料理は、肉や魚のいわゆる生臭(なまぐさ)を使用しない料理のことですが、精進という言葉は仏教用語であり仏道修行を努め励むという意味で、それを実践する僧侶の食事が精進料理の原点なのであります。
精進料理の基本は、単に肉・魚を使わないというだけではなく、素材の持ち味を生かすよう味付けを考えること。季節のものを使用すること。無駄を出来るだけ省くこと。そういった前提のもと作られていくのであります。このような基本は何も精進料理だけでなく、全ての料理に共通することではありますが・・・。
それ以外には、葷(くん)といわれる、ニンニクや玉葱などの匂いの強い野菜も修行の妨げになり都合が悪いという理由で精進料理には使用しません。 裏を返せば、それだけ精力が付き過ぎるということなのでしょうね。
そのような一定のルールがあるわけですから、普段の濃い味付けやボリュ―ムのある現代の食事からすれば少し物足りない様に思えますが、旬の素材の本来の持ち味を生かした料理は滋味に溢れ清々しく、大地の恵みや恩恵に感謝してしまいます。
当院では、うるし塗のお膳で座敷にて召し上がって頂きますので、四季の風景も楽しんでいただけます。
おしながき (一例)
旬羹(炊き合わせ) 季節の揚げ物 胡麻豆腐 和え物
酢の物 漬物 果物 御飯
◎召し上がる前の一作法◎
合掌しながら声に出してお唱えしましょう。
一滴の水にも天地の恵みが加わっております。一粒の米にも萬人の力が加わっております。 ありがたくいただきましょう。 合掌...。
この作法は箸袋に書いてございます。