NECビジネスインテリジェンス株式会社 様 業務効率化で人件費80%の削減。実現するデータドリブンな出張規程の最適化
- 業務効率化
- リスクマネジメント
- ガバナンス強化

- NECビジネスインテリジェンス株式会社 様
- 居相 隆史 様(人事サービス統括部 ビジネストラベルグループ ディレクター)
- 舛谷 慧 様(人事サービス統括部 ビジネストラベルグループ 主任)
NECビジネスインテリジェンス株式会社 様
- 業種
- ソフトウェア・情報処理
- 従業員数
- 2,000名以上
- 都道府県
- 神奈川県
- 課題
- 上限金額ルールが曖昧だった
- エリア別の上限金額可視化
- 業務効率化
- リスクマネジメント
- ガバナンス強化
NECビジネスインテリジェンスは、NECグループ各社が保有する総務や人事、経理をはじめとするバックオフィス業務などのサポートを行っています。
ビジネストラベルグループは、グループ従業員11万人の国内外の出張手配、交通費や宿泊費処理の効率化、コストダウンに貢献する部門です。
じゃらんコーポレートサービス導入によって得られた業務効率化やコンプライアンス遵守の成果と、出張に関するビッグデータを用いた経営への貢献についてお聞きしました。
- 課題
-
- グループが発行する宿泊利用券の精算処理に膨大なマンパワーがかかっていた
- 宿泊施設と個別交渉して独自に部屋を確保するものの施設数が限られていた
- 出張地域によって宿泊の上限金額を設定する際の根拠があいまいだった
- 効果
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- 一括精算により精算業務にかかわる手間を約80%削減
- 2万件を超える宿泊施設を提供できるようになり、従業員の多様な要望をカバー
- 出張時のデータ分析を行い、各都市の最新の料金相場を可視化。実態に基づいた金額設定が可能に
煩雑かつ膨大な事務処理の業務改善を模索していた
じゃらんコーポレートサービス(以下、じゃらん)の導入前の課題について教えてください。
居相氏:
私たちの部門では、10万人を超えるNECグループ全社員が出張する際の宿泊手配を行っていましたが、長く抱えていた特に大きな課題は次の2点だったと思います。
1つは、膨大な宿泊数が発生するため宿泊施設に部屋の確保を依頼するのですが、個別に交渉を行うのは非常に大変な作業でした。しかも空き部屋が残っているかをリアルタイムでは把握できなかったので、予約希望を入れた翌日に「満室で不可」という返答が来るような状況だったのです。このように手間暇をかけても利用できる施設数が800程度に限られており、社員の利用を徹底できませんでした。
2つ目は、専用クーポンの存在による事務作業の問題です。宿泊社員は宿泊先に紙の宿泊利用券を提出し、施設からは毎月まとめて用紙と請求書が送られてきます。月間で推定2万枚ほどに達していたかと思います。これを1枚ずつ手作業で照合し精算するのは、グループの人事部門としての役割も担う弊社の仕事です。膨大な作業時間や人件費が負担となっていました。

自社グループで独自に部屋を確保するのはやや特殊な形態ですね。
居相氏: 必要な部屋数を先に確保してもらう手法を宿泊業界では「仕入れ」と呼びますが、やはり個別に交渉することの限界を感じていました。私たちにとってはグループの社員が「顧客」ということになりますが、顧客ニーズに応えきれないことをもどかしく思っていました。
社員の立場とすると、希望する宿が取れないなら自力で予約するしかありません。
居相氏:
そうなんです。その分、提携外のホテル利用が増えることになり、出張した社員が宿泊費を立て替えた分の精算業務がまた煩雑になることも悩みの種でした。最初は、部屋数の在庫を確認できるような仕組みを導入したのですが、先ほども説明した宿泊利用券の処理作業は残ったままです。それに部屋があることはわかっても、確保の交渉は私たちが1件ずつ行っていたため、まだまだ過渡期でしたね。
改めて個別の予約から精算までをワンストップで実現できる宿泊予約サービスが必要だという結論に至ったのです。
その中で、じゃらんをお選びいただいた決め手とは?
居相氏: まず利用頻度の高いホテルをいくつかのサイトで比較した際に、じゃらんさんの選択肢が充実していたことが挙げられます。またパラメータを変更し、細かくカスタマイズできる点も魅力的でした。地域によって宿泊料金の相場が異なるので大都市なら1万円まで、中核都市ならその次の価格、地方はもう一段階低い価格にするなど、弊社の希望に応えていただけるのは重要なポイントでした。
スムーズな導入によって直後から成果が現れる
サービスの導入時に混乱が生じないよう工夫した点はありますか。
居相氏: 導入後も半年ほどは、従来の予約方法がそのまま使えるように併用する期間を設けて、少しずつじゃらんが浸透するよう配慮しました。一部のグループ会社に限定することはせず、グループ全社全部署で一斉に移行しました。
舛谷氏: 選べる施設の数が増え、リアルタイムで予約の可否がわかるので、当初から社員からの反応は良かったですね。予約サイト自体もユーザーインターフェースでわかりやすく、使い勝手も良いので、操作方法に関して問い合わせが来ることもほぼありません。

業務効率の改善という点ではいかがだったでしょうか。
居相氏: 紙の宿泊利用券にかかっていた人件費が80%削減できました。毎月3人以上のスタッフが専任だったことを考えると大きな成果と言えます。また、ホテルとの個別交渉に時間をとらえていた人員も今はおりません。
コーポレートガバナンスの面では変化はありますか。
舛谷氏:
やむを得ない場合を除いた宿泊費の上限金額をはじめ、適正な出張ルールを徹底して運用することが重要だと考えています。ホテルの選択肢が少ないとシステム外での予約が増えてしまいますが、じゃらんの導入によって、統一ルールがだいぶ浸透してきました。
また、企業が出張中の従業員の所在をすぐに把握できるというのも非常に大きなメリットだと感じています。能登半島地震が起きた際、元日という特殊な状況にもかかわらず発生から2時間後には石川県内に出張中の社員を一覧で提出できたので、NEC本社に驚かれるとともに感謝されました。もし、システムがなければグループ全社の人事部門が状況把握に相当の時間を要していたことでしょう。

システム利用率向上のヒントがデータ分析で得られた
災害発生時も考慮すると利用率をさらに向上させる必要がありますね。
舛谷氏:
その通りです。現在のシステム利用率は約80%ですが、これで十分だとは思っていません。できる限り100%に近づける努力も継続する必要があります。じゃらんさんからは「なぜシステム外の利用をしているか」を分析するご提案をいただきました。
弊社の希望で、規定の宿泊料金を超える施設はシステム内で表示されないようにしています。混雑期に宿泊代が高騰することや、出張先が特殊な地域でシステム内の手頃なホテルが予約できないこともあるので、こうしたケースではシステム外の利用はやむを得ません。したがって、当初私たちは、システム外利用の大半は宿泊料金が超過しているケースだろうと考えていました。

分析の結果はいかがでしたか。
舛谷氏:
予想に反してシステム外利用のうち7割は「規定の宿泊料金以内である」ことがわかりました。つまり、やむを得ない事情は少数だったのです。
主な理由として、
・毎回同じホテルに泊まっているため現地のフロントで次回の予約を済ませている
・長年の習慣で施設に直接電話をして予約している
・定宿にしているホテルがシステムで予約できなかった
などが明らかになりました。
慣れた方法が便利なのは理解できますが、グループ全体のガバナンスの観点から移行を呼びかけるようにしました。また、個別の宿泊施設についても希望があったところをじゃらんさんに共有しています。新たに提携できる場合もあれば、代替となる施設を紹介することもあります。
じゃらんさんは、データ処理や解析のノウハウをお持ちなので、毎月の利用率算出もお任せしており、非常に助かっております。
ビッグデータを活用し最適な運用を続けていきたい
利用率の向上以外にもデータ分析によって発見があったとお聞きしました。
居相氏: データによって、本当にさまざまな気づきが得られています。ホテルの価格動向についても、思い込みに頼るのではなくデータドリブンが重要だと感じました。

コロナ禍によって下落した宿泊料金が、その後どのように回復したかを検討したとき、地方は安いままで都市部だけが高騰しているのではないかと、漠然とした印象を持っていました。しかし、データ分析の結果、実際は逆で地方の方が価格の変動が大きかったのです。
弊社では1泊あたりの上限額を地域ごとに3段階で設定していますが、データのおかげで、より実態に沿った区分けの設定を検討することができています。相場より上限金額が低ければ、従業員はシステム利用を諦めて独自に予約してしまうでしょう。したがって、先ほど述べたシステム外の利用を減らすうえでも、大切な施策だと考えています。
システムを利用して課題や今後に向けた要望はありますか。
舛谷氏: 機能面での細かい要望は、いくつか社内からも挙がっています。例えば、前回利用した際の検索条件を保存できるようにしてほしいなどの意見です。ヘビーユーザーならではの観点と言えるかもしれません。
居相氏: まだ社内で検討中の内容もありますが、じゃらんさんからは次々に改善提案をいただいています。従業員の利便性を高め、利用率を向上させるには地道な取り組みを続ける必要がありますが、じゃらんさんが同じベクトルを向いて伴走してくれていることを心強く感じています。データをうまく使いつつ、より最適で快適な利用方法を模索していきたいと思います。
業務工数削減だけで満足せずメリットを最大化しようとする取り組みが参考になりました。今日はありがとうございました。
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