じゃらん大人のちょっと贅沢な旅 2020-2021秋
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秋が深まりズワイガニ漁が解禁されると、いつにも増して賑わう城崎温泉。海に近く魚介のイメージが強いものの、周辺は牛肉の名産地でもある。その牛肉とは、現在の黒毛和種のルーツといわれる但馬牛だ。「但馬牛を食べたいという声は多かったけれど、温泉街に店がなかった。だから期待に応えたくて」とオーナーの田岡聖司さん。7年前、但馬牛専門店を軸にしたオーベルジュスタイルの宿を開業した。選んだ牛肉は、但馬牛の中でも特別に育てられた「但馬玄」。「飼育法は牛の健康が第一で、エサや環境へのこだわりは徹底的。脂は融点が低く、サラリとしていくらでも食べられてしまう」と惚れ込み、肉を一頭買いに。出荷は月に数頭という希少な牛肉を確保する。宿泊の際はすき焼き、炭火焼きなど好みの食べ方でプランを選ぶ仕組み。「例えば基本のステーキプランは部位をおまかせいただいてますが、肉質に絶対的な自信があるからできること」と田岡さん。年々増え続けるリピーターの数が、その言葉を裏付けている。 [兵庫県城崎温泉]小宿 縁えん約12℃で溶け始める脂はサラリ。プレミアム但馬牛を狙う。基本プランの炭火焼き。赤身と薄切りロースなど3種類の部位を食べ比べできる前菜の3点盛り。牛すじ煮込み、ローストビーフなどスタートから但馬玄尽くし牛骨とすね肉をたっぷりの野菜で煮て抽出するなど、スープにも但馬玄を使う基本のステーキプランは部位おまかせだが、希少部位の指定も可能ごま中心の独自配合飼料で肉質の向上を追求。牛にストレスを与えないよう牛舎で鼻輪をつけないなど、牛目線で育てている。
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