じゃらんムック 大人2021冬立ち読み
19/19

 カニと一言にいえど、ワタリガニや毛ガニなど種類が多く、国内でも1000種以上あるといわれている。その中でトップクラスの水揚げ量を誇るのが、西日本を代表する冬の旬「ズワイガニ」。関西・中国地方では、11月6日のズワイガニ漁解禁日を迎えると、「カニ漁解禁!」「カニ初競り」のニュースが飛び交い、カニ好きたちが胸を躍らせる。なぜそれほどまでに熱狂するのか?と問われると、答えはただ一つ。味の良さに尽きる。「カニの王様」がタラバなら、ズワイガニは「カニの女王」と呼ばれ、上品な甘みと旨みが身上。そしてカニみその奥深いコクを一度味わえば、虜になること間違いなし。 また、解禁にあわせて産地の宿ではこぞってカニプランを用意。「カニを食べなければ冬が来た気がしない」という人たちを温かく迎えてくれる。鮮度が自慢の「活ガニ」を提供する宿も多く、まさに最高級のフルコースが味わえるのだ。それでは、カニを目当てに至極のグルメ旅へ、いざ行かん。西日本で熱狂するズワイガニを産地で食べる意義。 水揚げしたズワイガニに産地証明としてタグを付け始めたのは、1997年。国産カニの人気が上がるにつれ、地元産と偽って出回るカニの出現に悩んだ福井県・越前町漁業協同組合が差別化のため全国に先駆けてタグを装着。次第に他の地域に広がり、それぞれ地域独自のブランド名を付けて自分たちのカニの価値を守るようになった。  地域によりタグを付ける条件は異なるが、重さや甲羅の大きさなど厳しい基準を決めているところも少なくない。タグが付いたものは鮮度がよく、質の良いカニが多いことからどうしても値が張るが、言うなれば漁業関係者のお墨付き。各漁港のプライドがかかったブランドガニなので、その味わいを産地で確かめてほしい。産地も質も保証するタグ付きガニは、漁業関係者の誇り。上物は1杯ずつ並べて競り落とす。カニを活かしたまま競る「活競り」が主流基本的にタグを付けるのはズワイガニのオス。地域によってはメスにも付ける場合もオスのズワイガニ漁は11月6日から主に3月20日まで。活ガニは冬だけ味わえる逸品だ石川県福井県京都府兵庫県鳥取県島根県加能ガニ越前がに舞鶴かに間人ガニ津居山かに柴山がに香住港まつばがに浜坂産松葉がにとっとり松葉がに隠岐松葉ガニ

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る