日本の世界遺産
日光の自然に映える極彩色の装飾
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日光連山が丸ごと境内(!)という広大な日光二荒山(ふたらさん)神社。その入口で迎えてくれるのは、大谷川の渓谷をまたぐ「神橋」だ。秋には紅葉に彩られ、冬には雪化粧と、四季折々に表情を変える姿は見応えがある。300円の渡橋料がかかるが、記念品にもらえるお箸はぜひ手に入れたい。橋を越えたら杉並木の中の石畳をのんびり歩いて、境内に10以上点在する寺社巡りを。神橋へと続く日光駅からの道のりを、土産物店や骨董店、レトロなカフェなどをのぞきつつそぞろ歩くのもおすすめだ。食事処で名物の湯波(ゆば)に舌鼓を打つのもお忘れなく。
栄華を極めた徳川家が国中から一流の工匠を集めて造らせた東照宮は、神社と寺、2つの建築様式がブレンドされている。境内には巨大な石鳥居、社殿、五重塔など見どころが満載。中でも高さ約11m、奥行き約4mもある陽明門は極彩色と金粉に彩られ、圧倒的な美しさ!境内の建築に散りばめられた眠り猫や三猿といった彫刻を探して歩くのも楽しみのひとつだ。年に2回、春と秋には「東照宮例大祭」が催される。馬に乗った神官やお神輿、鎧兜を着た武者たちが参道を練り歩く姿を眺めれば、まるでタイムスリップしたような気分が味わえる。
本堂である三仏堂をメインに15の寺院や門からなり、1240年以上の歴史を持つ山岳信仰の聖地。日光山に足を踏み入れてまず現れるのは、数多くの国宝や重要文化財が収められている宝物殿。その西側の逍遥園では四季折々の庭園美が楽しめ、11月初旬には紅葉が見ごろを迎える。さらに歩みを進めると、さんぜんと黄金色に輝く高さ約8.5mの阿弥陀如来と千手観音、馬頭観音が安置される三仏堂が。建物の前には推定樹齢500年の「金剛桜」が植わり、4月下旬には美しく咲き誇る。さらに奥には、徳川3代将軍家光の墓所である大猷院(たいゆういん)が鎮座する。複数の重厚な門に守られた本殿や、境内に林立する315もの灯篭が印象的だ。