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こぼらさんの奈良県の旅行記

秘境・秘湯 十津川郷

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秘境の温泉地・十津川郷には以前から一度は行ってみたいと考えていました。十津川郷には三つの温泉地があります。湯泉地温泉・十津川温泉・上湯温泉です。中でも上湯温泉は最も奥地にあり秘湯が楽しめますが、温泉通向きとも言えます。私たちは事情がわからなかった事と、食事付きのプランが空いていなかった事情から、秘湯の宿・神湯荘に素泊まりをする事となりました。食事の評判も良い宿なのに、温泉だけを楽しむというマニアックな利用となってしまい、ちょっと残念です。翌日は、足湯だけでしたが、誰にもやさしい十津川の湯を楽しんで帰途につきました。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代

1日目2019年5月2日(木)

谷瀬の吊り橋

十津川村(吉野郡)

「谷瀬の吊り橋」を   >

全長300m弱の長大な吊り橋。眼下を流れる川との落差も54mあり、まさに空中散歩。スリル満点です! 通行料無料というのもありがたい。ただし、袂近くの駐車場利用には500円が必要です。連休中ということで満車。河原に設けられた第2駐車場(無料)に案内されました。第2駐車場は1kmほど離れていて、吊り橋まで里道のような坂道を歩かなければなりませんが、のんびりした街並みを見る事ができます。

谷瀬の吊り橋

十津川村(吉野郡)

「谷瀬の吊り橋」を   >

見るのと、実際に歩いて渡るのでは大違い。吹く風や他の通行人の歩き具合で、橋全体がうねるように揺れるので結構手強い。大しけのフェリーに乗った時のような感覚です。どれだけ揺れようが、フェリーなら客室でじっとしていれば良いですが、吊り橋は歩き続けないと皆さんに迷惑がかかります。 歩き始めは楽しいのですが、揺れが大きくなる橋の真ん中辺りに差しかかると、ワイヤーにつかまっていないと立っているのもおぼつかなくなる時があります。でも野趣があって楽しいです。

橋全体がたわみ、しなるように造られているので、釘やビスで固定されている部分は見当たりません。床板は、何本かの細いワイヤーの上に等間隔に並べられた薄い枕木に針金でくくりつけてあるだけです。吊り橋とは、こうした構造が当たり前なのでしょう。万が一にも床板が割れたとしても、下にメッシュネットがあるので、足を踏み外す事はありません。そのように頭ではわかっていても、実際に橋が傾いたり上下左右に揺れると身構えてしまうのが本音です。

黒木御所跡(奈良県十津川村)

十津川村(吉野郡)

「黒木御所跡(奈良県十津川村)」を   >

谷瀬の吊り橋を渡りきった対岸にあります。吊り橋の袂からは200mほど離れています。 後醍醐天皇の皇子・護良親王の居館があったとされる遺跡です。後醍醐天皇が元弘の乱に破れて隠岐に流されても屈せず、十津川・吉野・熊野を転々として倒幕の戦いを続けた護良親王のこと、居館とは言っても質素なものだったと思います。

今は谷瀬の吊り橋や道路が整備されているので、楽に御所跡を見る事ができます。鎌倉時代末期の十津川を想像すると、潜伏していた後醍醐天皇・護良親王父子を幕府軍が捜索するのは困難を極めた事でしょう。

山の駅 吊り橋の郷

ここは十津川村観光案内所が、茶店「山の駅・吊り橋の郷」もやっているという感じ。谷瀬の吊り橋を往復して緊張が解け、お腹も空いたので一服に、こんにゃくと煮玉子を頂きました。めはり寿司も置いてあったので、それも頂きました。十津川村の地図を見ながら、どこを回ろうか考えながら食べていました。十津川村は、国内で最大面積を有する村だったのですね。エリアが広すぎて、見当がつきにくかったです。

茶店「山の駅・吊り橋の郷」の様子。なにせ連休中のこと、吊り橋付近の食堂やカフェは満員御礼状態。ここはメインが観光案内所なので、案外空いていました。 温かいお茶と冷たいお茶の両方が用意されていて、自由に飲めるようになっていたのが嬉しかった。

十津川水系

十津川村(吉野郡)

「十津川水系」を   >

谷瀬の吊り橋を過ぎ、国道168号線で十津川村の中心付近にある道の駅・十津川郷を目指していたら、野尻を過ぎたあたりで素晴らしい眺めの峡谷が見えました。思わず車を路肩に駐めて、橋の上から見入ってしまいました。水が澄みエメラルドグリーンで、夢の世界に来ているような気分になります。 この辺りは十津川が幾重にも蛇行している場所です。

こちらは下流側(西)を望んでいます。川は先で大きくターンして、写真左奥の低い山の裏側に回り込んでいます。神秘さや神々しさを感じる十津川の美しい風景です。

道の駅 十津川郷

十津川村(吉野郡)

「道の駅 十津川郷」を   >

国道168号線で五條から十津川温泉方面に向かっていると、右手に縦長な「十津川郷」看板が見えてきます。十津川峡谷の上に立っている「道の駅・十津川郷」です。看板を目印にしないと、役場か校舎のような建物なので見過ごしてしまいます。

道の駅 十津川郷

十津川村(吉野郡)

「道の駅 十津川郷」を   >

この道の駅と国道168号線は、十津川峡谷の上にあります。谷間の細長い平地に建てられていますので、横に長い施設となっています。入ってきた車は駐め場所を探して、どうしても入口付近で立ち止まってしまいます。整理員から、駐車場の奥から駐めるように指示されます。対向2列に駐車しますが、奥の方だと何回も切り返す必要があるので、ちょっと面倒です。

駐車場から十津川峡谷を見下ろしています。道の駅が断崖の上に建っているのがわかります。

道の駅 十津川郷 足湯

十津川村(吉野郡)

「道の駅 十津川郷 足湯」を   >

十津川村の真ん中あたりにある道の駅・十津川郷。その前に足湯が設けられています。この足湯には、湯泉地(とうせんじ)温泉の湯が使われていて、少し硫黄臭を含む天然温泉らしい湯です。いわば本物の温泉です。連休の最中だったので、足湯場に来る訪問客の出入りが多かった。

湯泉地温泉「泉湯」

十津川村(吉野郡)

「湯泉地温泉「泉湯」」を   >

道の駅・十津川郷の足湯は、湯泉地温泉の湯が使われています。私たちは上湯温泉で宿泊したので、湯泉地温泉の湯はこの足湯利用だけしか知りません。でも、硫黄の温泉臭が強めで、少しとろみが感じられる、まろやかな湯であるのはすぐにわかりました。 足を湯に浸けながら解説パネルを見ていました。十津川の3温泉の中で、湯泉地温泉が最も歴史が古い温泉地なのだそうです。武将・佐久間信盛、本願寺の顕如上人、豊臣秀保などが訪れていると書いてありました。

私たちは、十津川の温泉と言っても3温泉(湯泉地温泉・十津川温泉・上湯温泉)あるという事すら知りませんでした。今回は上湯温泉を利用しましたが、湯泉地温泉や十津川温泉の宿にも宿泊する機会を作り、じっくり湯を楽しみたいところです。

道の駅・十津川郷の売店。素泊まりの宿泊なので、夕と朝の食べ物を買っていく必要がありました。連休の最中だったので仕方ありませんが、土産物や菓子類は並んでいましたが、弁当や惣菜などは置いてありませんでした。

そば処 行仙

十津川村(吉野郡)

「そば処 行仙」を   >

道の駅・十津川郷の2階にあります。道の駅からは階段で上がりますが、エレベータもありました。階段が苦手なお年寄りも利用しやすそうです。 少し汗ばむ時期だったので、ざる蕎麦を頂きましたが美味しかったです。家内は、ざるうどんを選びましたが絶品だったそうです。

そば処 行仙

十津川村(吉野郡)

「そば処 行仙」を   >

店の入口前から見ると余り広くはなさそうだと思いますが、暖簾をくぐると結構広い事に驚きます。テーブル席も座敷席もあります。座敷席からは十津川峡谷が見渡せます。

そば処 行仙

十津川村(吉野郡)

「そば処 行仙」を   >

家内が食べた、冷やしざるうどんと玉子かけご飯のセット。うどんが艶々光っていて、とても美味しかったようです。玉子も地鶏のものらしく、黄身が濃い色で美味しかったとのこと。

そば処 行仙

十津川村(吉野郡)

「そば処 行仙」を   >

私は、ざる蕎麦と炊き込みご飯のセットを選びました。十割蕎麦は扱っていないようでした。二八のざる蕎麦は、よく冷えていて美味しかった。炊き込みご飯が、少しぱさついていたのが残念でした。

上湯温泉 神湯荘

「上湯温泉 神湯荘」を   >

神湯荘は、上湯温泉で唯一の宿です。十津川の3温泉の中で上湯温泉は一番山深い場所にあり、秘湯という表現がぴったりです。これは神湯荘も心得ておられるようで、「日本秘湯を守る会」の会員だと玄関の提灯でアピールしています。 それだけに温泉の湯は素晴らしいものがあります。内湯や宿内の露天風呂の湯の良さはもちろん、離れた場所にありますが河原の大露天風呂では、他の温泉地では味わえない野趣も味わえます。

皆さんの口コミ評価を拝見していると、温泉の湯と食事がとても高評価となっています。熱烈なリピーター客がおられるのもわかります。 私たちは残念ながら、予約するのが遅かったため、素泊まりでしか利用できませんでした。早くから予約しておかないと、食事付きプランにはありつけないようです。温泉は堪能できたものの、自慢の料理は味わえず残念でした。

本館よりも高い場所に別館がありますが、こちらに宿泊したお客の評価は今ひとつのようです。露天風呂が敷地内に点在しているので、別館だと坂道ひとつ増えてしまい行き来が大変なのです。私たちも別館での宿泊でした。雪駄と浴衣姿での風呂帰りに、数十メートルとはいえ急な坂道を歩いて戻るのはどうも・・・。 帰り着いた玄関の雰囲気が、本館のように賑やかなら良いのですが、別館はご覧の通り。外装や玄関の庇の傷みを見てしまうと、たとえ客室が手入れをされていても、良い気分にはなりません。食事部屋は本館だけなので、食事付きプランで別館泊まりだったお客さんは、なおさら思ったのではないでしょうか。口コミで皆さんが、本館での宿泊を勧める理由がわかりました。

2日目2019年5月3日(金)

上湯温泉

十津川村(吉野郡)

「上湯温泉」を   >

上湯温泉は、十津川温泉郷の3温泉の中では最も奥地にあり、大自然に囲まれた温泉地です。ここに来るには、十津川支流の上湯川峡谷沿いの狭い道を通らなければならず、少々面倒ではあります。しかし素晴らしい湯が堪能できます。 「上湯」は「神湯」が由来なのでしょう。神の湯と呼ぶにふさわしい、芳醇でとろとろな湯が特徴です。特に「河原の大露天風呂」は秘湯と呼ぶにふさわしい、野趣ある浴場となっています。 初めて訪れて知りましたが、上湯温泉で営業している宿は神湯荘1軒のみです。上湯温泉に行くということは、神湯荘を利用・宿泊する事を意味します。 以前の上湯温泉には、日帰り温泉施設や何軒かの宿もあったらしいのですが、2011年の台風水害により壊滅的被害を受けたとのこと。1軒だけで温泉地を復興させて頑張ってみえるのが神湯荘です。それだけに熱烈なファン・リピーター客が多いようです。

昴の郷

十津川村(吉野郡)

「昴の郷」を   >

「昴の郷」は、十津川村や奈良交通が出資する第三セクターが経営母体のリゾート施設です。谷間の狭い斜面に家屋や温泉宿が点在しているイメージの強い十津川村ですが、ここだけは十津川らしくないと思える程に広くてゆったりした敷地を有しています。 敷地には、野外ステージや遊具を備えた芝生広場に加え、洒落たデザインのホテル昴・レストラン・日帰り温泉施設「昴の湯」・温泉プールがあります。広大な駐車場も備えていますので、ここを起点にして、のんびり世界遺産「熊野古道・小辺路(こへち)」を歩き、温泉で旅の疲れを癒すのもいいでしょう。

昴の郷

十津川村(吉野郡)

「昴の郷」を   >

昴の郷の敷地に入った時は、この広場や広大な駐車場は「ホテル昴」利用客のための設備だと思っていました。十津川村や奈良交通が出資する第三セクターが経営母体であり、世界遺産「熊野古道」の一部である「小辺路・果無越え」を訪ねてくる観光客のための表玄関として位置づけられているようでした。このため奈良交通は、大和八木駅と新宮駅とを結ぶ長距離バスの立ち寄り場所にしています。 ここに車を駐めて「小辺路・果無越え」を歩くもよし、レストランで山の幸を味わうもよし、温泉や温泉プールを楽しむのもOKなのです。

野猿(奈良県十津川村)

十津川村(吉野郡)

「野猿(奈良県十津川村)」を   >

野猿(やえん)とは、人力で動かすロープウェイのことです。写真の犬小屋(失礼!)状のゴンドラ「やかた」に一人だけしゃがんで乗り、ロープを引っ張り続けて対岸に向かうという道具です。 昴の郷と神湯荘との間にも野猿がありますが、狭い道路の脇にあるので、車を駐める場所がありません。昴の郷や神湯荘から歩いて行くには少し遠すぎます。 車で行きたい観光客にお勧めなのが、この昴の郷にある野猿です。ここなら、大駐車場がありますし、対岸も昴の郷の敷地内なので安心です。 何が安心かというと、野猿で谷渡りするには結構な腕力とスタミナが必要だからです。谷の真ん中で力尽きても、家族や仲間が両岸のどちらかに回ってロープを引っ張って救助できます。

野猿(奈良県十津川村)

十津川村(吉野郡)

「野猿(奈良県十津川村)」を   >

実際に乗ってみると、大きな犬小屋を背負っているような、殻を背負ったヤドカリになったような感覚です。ロープやワイヤーは強い張力で張ってありますが、物理法則には勝てず中程で垂れ下がります。このため、1/3ほどは自重だけで滑るように進んでくれます。その後が大変です。不自然な格好で座っているので、ロープを引っ張り続ける力が出しにくいのです。私の乗った「やかた」の動きが鈍いので、見かねた家内がロープを引っ張って回収してくれました。見る方は立ち姿勢なので、力が出しやすいのです。 面目丸つぶれでしたが、面白い体験ができました。

十津川温泉

十津川村(吉野郡)

「十津川温泉」を   >

昴の郷に設けてある足湯を利用しました。無料で利用できます。十津川村内の温泉場は全て「100%源泉かけ流し」と決まっており、この足湯も掛け流しです。 湯は45℃くらいで熱めでしたが、優しい湯だと思いました。個人的な感想ですが、十津川温泉の湯は「やさしい」、湯泉地温泉は「まろやか」、上湯温泉は「とろとろ」といった印象を受けました。

飲泉所も設けられていました。これだけ恵まれた環境にある足湯なのに、他に利用者はなく貸し切り状態でした。皆さん、まずは野猿に行ってしまうようです。 昴の郷は、十津川温泉と上湯温泉との中間地点付近にあるので、湯は上湯温泉に属しているものと思っていました。後で調べてみると、十津川温泉の一員なのだそうです。

熊野参詣道 小辺路 (果無越え)

十津川村(吉野郡)

「熊野参詣道 小辺路 (果無越え)」を   >

昴の郷から狭いトンネルを歩くと上湯川の西岸に出ます。そこに柳本橋という吊り橋があります。かつての熊野参詣道・小辺路は高野山より南下し、この柳本橋を渡って果無峠を越え、熊野本宮に至っていました。 旧街道は柳本橋手前までは国道425号線に置き換わっていますが、対岸には往時の姿が残されています。これが世界遺産「熊野古道」の一部「小辺路(果無越え)」です。 昔の柳本橋はワイヤーで造られていなかったでしょうが、熊野参詣者はこの橋を渡って街道で最後の難所・果無峠を越えて本宮に向かっていたのです。 この橋は長さが90mで、谷瀬の吊り橋の1/3弱しかありませんが、渡ってみるとなかなか手強いです。

熊野参詣道 小辺路 (果無越え)

十津川村(吉野郡)

「熊野参詣道 小辺路 (果無越え)」を   >

熊野古道・小辺路は、高野山と熊野本宮を結ぶ熊野参詣のための街道でした。難所の峠が3つ(伯母子峠・三浦峠・果無峠)あり、いずれも標高1000m前後の峠でした。十津川村での難所が果無(はてなし)峠で、高野山から熊野本宮へ向かう旅人にとっては最後の難所となっていました。 私たちは予定に入れていなかったので、上湯川を柳本橋で渡り500mほど歩いて街道の様子を垣間見るだけにしました。峠まで、ひたすら登り道になっているそうです。 官道ではなく信仰のための道だったので、徒歩で行くのが常識だったのでしょう。道幅は狭く、乗馬では通れなかったと思われます。

平谷地区地域交流センター「いこら」

十津川村(吉野郡)

「平谷地区地域交流センター「いこら」」を   >

十津川村・平谷地区の人々が、地元産の食品を販売したり飲食店に挑むチャレンジショップを日替わりで出しています。 きれいなトイレに加え、足湯・手湯・飲泉も備えています。少し歩くだけでダム湖畔にも行けます。

十津川温泉

十津川村(吉野郡)

「十津川温泉」を   >

「いこら」にある足湯です。無料で利用できます。 あいにく「いこら」は、田植えのため休みでしたが、天然温泉の足湯は24時間営業でした。靴を脱ぐ簀の子も、足ふきタオルもしっかり用意されていて、こんなに整った足湯にはそうそうお目にかかれません。お湯はちょっと熱めで、43℃くらいでした。クリアで、ほんのりと硫黄臭が漂う十津川温泉の湯が楽しめます。十津川温泉の湯はクセがなく「やさしい」感じがします。

平谷地区地域交流センター「いこら」

十津川村(吉野郡)

「平谷地区地域交流センター「いこら」」を   >

「いこら」には、足湯に加えて手湯・飲泉場もあります。写真右手が飲泉場で、左側が手湯です。十津川温泉郷ですから、これらも100%源泉かけ流しになっています。どことなく神社仏閣の手水場に似ているような気がしませんか。信州・諏訪大社の手水場では、湯が出ていたのを思い出しました。

十津川水系

十津川村(吉野郡)

「十津川水系」を   >

十津川の流れは、近くの二津野ダムによって堰き止められ、十津川温泉郷のあたりではダム湖になっています。「いこら」のすぐ近くに周遊ボートの乗り場があり、湖面のすぐ近くまで近寄ることができます。 水面が鏡のようで、湖岸の樹木の姿を写し出していました。ダム湖の周囲にはたくさん桜が植えてあり、満開時期には花々が湖面に映えて、それは見事な景色になると思います。

十津川水系

十津川村(吉野郡)

「十津川水系」を   >

十津川温泉郷を離れ、「21世紀の森紀伊半島森林植物公園」を目指しました。国道168号線をしばらく北上した後、右折して国道425号線で東に進みました。典型的な酷道で、対向車との交差もままならない狭い道を十数キロほど走りました。道の脇には「滝川」という十津川の支流が流れています。 「21世紀の森紀伊半島森林植物公園」まであと2〜3km程の場所に、滝川を渡る「白谷橋」という高架橋がありました。橋の上からの滝川の眺めが絶品でした。橋から川面までの落差は50m程あり、欄干から身を乗り出すのが怖いのですが、川の水がとても澄み切っているのです。帰って調べたら、十津川村観光協会のサイトでも紹介されている見所のひとつでした。

新緑と白い岩とのコントラストが鮮やかです。静まりかえった川面に、木々の緑が写り込んでいます。これを見ただけでも、酷道を走ってきた甲斐があるというものです。

21世紀の森・紀伊半島森林植物公園

十津川村(吉野郡)

「21世紀の森・紀伊半島森林植物公園」を   >

広いエリアの山林や斜面全体が公園になっています。その中でも、世界から約120種類1万本のシャクナゲを集めたという「世界の森」では、見頃ということで「石楠花まつり」をやっていました。広い駐車場が満車になるほどの来場者でした。 駐車場の隅には十津川村観光協会のテントが貼られていて、来場者向けに餅まき大会を開催していました。丸餅や袋菓子を、これでもかとまいてくれました。二人がかりでまいていましたので、一人だけを注視していると、思いがけない方向から餅が飛んできて頭や体に当たる事もありました。うまくポリ袋に直行してくれた餅もありました。おかげさまで、人だかりの後ろに居たにも関わらず、私たち二人で計10個ほどゲットできました。

森林館は展示室になっていて、十津川村の美しい四季の自然を「三面マルチスライド」で紹介しています。この部屋に入った時、小中学校の図工室や木工室にいるような気がしたのは私だけでしょうか?

21世紀の森・紀伊半島森林植物公園

十津川村(吉野郡)

「21世紀の森・紀伊半島森林植物公園」を   >

森林植物公園といっても、温室を備えた遊園地のような植物園ではありません。山の斜面一帯に、多数の石楠花や杉が植えられている自然公園と表現した方が正しいです。 訪れた日は、3日間の「石楠花まつり」初日でしたが、花は既にピークを過ぎていた観がありました。花もまばらに感じました。年によって当たり外れがあるようです。 昨年の夏の異常な暑さや、猛烈化してきた台風の影響でしょうか。

多くの種類の石楠花が植えられていますので、ちょうど満開時期のものもありました。

「21世紀の森紀伊半島森林植物公園」を見て、来た道を戻る途中に、こんな見事な滝がありました。行き道では気付きませんでした。 手前(公園に近い方)には有名な「笹の滝」がありますが、それよりも落差が大きい滝です。「不動滝」と呼ばれているようです。滝川には、その名の通り、滝がたくさんあります。どの滝も、紅葉時期の眺めも良さそうです。

道の駅 吉野路大塔

五條市

「道の駅 吉野路大塔」を   >

ゴールデンウィーク最中だったので、駐車場が満車状態でした。前の日に十津川に向かっている時は、駐車場の空きを待っている車が国道にあふれ出し渋滞になっていて、全く立ち寄る気になりませんでした。翌日の帰り道でも事情は余り変わりませんでしたが、わずかな待ち時間で駐車できたので寄りました。 十津川と五條との中間地点にあり、途中にそれらしい店が少ないこともあり、ここはトイレ休憩には絶好の場所です。

大塔郷土館

五條市

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大塔郷土館は、国道168号線をはさんで「道の駅・吉野路大塔」斜め向かいにあります。茅葦き屋根の大塔郷土館そのものは、カフェレストになっています。むしろ駐車場前の銅像や石碑、そして解説パネルが大塔の歴史をアピールしています。 大塔に歴史のスポットライトが当たったのは2回。幕末に「天誅組の変」蜂起の地となった事と、鎌倉時代末期に後醍醐天皇の皇子・護良親王が潜みながら倒幕活動を進めていた事。時代と政権は違えど、正面切って戦えば勝てそうにない幕府軍の追っ手をかわし、深い山中に身を隠しながら勝機を探ったという点では共通しています。 大塔郷土館の前には「維新胎動の地」と刻まれた大きな石碑と、護良親王の騎馬像が建てられています。

「維新胎動の地」の碑の傍らには、「維新胎動の地の由来」という説明碑があります。普通は維新といえば明治維新を指します。でも大塔の人々にとっては維新は2回あったのです。護良親王が鎌倉幕府を倒す事に成功したのは維新と言えるのかもしれませんが、「天誅組の変」は1ヶ月ほどで鎮圧されてしまったので維新とは言い難い。しかし徳川幕府の威信を大いに失墜させ、わずか4年後に幕府が崩壊した事実を以て「維新胎動の地」と呼ぶのならば異議はありません。

これが護良親王の騎馬像。鎌倉幕府を倒すまでは大きな武勲をあげたものの、建武の新政以降は足利尊氏・直義兄弟と対立して人望を失い、最後は足利直義に殺害されてしまった護良親王。悲劇の皇子です。 しかし護良親王が、大塔に潜みながらも、倒幕活動を推進しなければ鎌倉幕府は安泰で有り続けたでしょう。大塔が歴史の変わり目に大きな影響を及ぼした時代でした。

1日目の旅ルート

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