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すみっこさんの鹿児島県の旅行記

竹田神社いにしへの道「島津日新公のいろは歌」四十七の石碑

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竹田神社境内のにしへの道に並ぶ四十七の石碑に刻まれた「島津日新公のいろは歌」。戦国時代に島津一族間の争いを統一した島津家中興の祖といわれる島津忠良(日新公)が,戦を通じて学んだことや人生経験から得た知識や知恵を詠んだ歌で,郷中教育でもその精神はいかんなく発揮され,明治維新の志士たちにも大きな影響を与えました。

神社ツウ すみっこさん 女性 / 60代

1日目2020年2月24日(月)

竹田神社(鹿児島県南さつま市)

南さつま市

「竹田神社(鹿児島県南さつま市)」を   >

いにしへの 道を開きても唱へても わが行ひにせずばかひなし [昔からの立派な教えをいくら聞いても,またどれだけ口先で唱えても,自分で実行しなければ何の役にも立たない。]

楼の上も はにふの小屋も住む人の 心にこそはたかきいやしき [二階造りの高い家・立派な家に住む人も,みすぼらしい小屋に住む人も,その住む所によって人の値打ちは定められるものではない。その人の心にこそ,尊い,いやしいの区別があるのだ。]

はかなくも 明日の命をたのむかな 今日も今日もと学びをばせで [世の中には,今日は用事がある,今日は気分が悪いなどと言って大事な学問を勉強せず,あてもなく,明日の日を頼みにしている人がいる。]

似たるこそ 友としよけれ交らば われにます人 おとなしき人 [自分と同じぐらいの似たものを友達としやすいものであるが,せっかく友として交わるならば,学問や腕前が自分よりすぐれ,しかもりっぱな人を選ぶがよい。]

ほとけ神 他にましまさず人よりも 心に恥ぢよ天地よく知る [仏や神は外におられるのではなく,各人の心の中におられるのだ。(悪いことをしたら)世間の人々よりも,まず自分の心に恥ずかしく思うべきである。天地の神はどんなことでもよく知っているものだ。]

下手ぞとて 我とゆるすな稽古だに つもらばちりも山とことの葉 [自分は下手だからといって,けいこ事一つであっても,気をゆるめなげだしてはならない。「ちりも積もれば山となる」という言葉もあるではないか。]

科(とが)ありて 人を斬るとも軽くすな いかす刀もただ一つなり [たとえ死刑にするような重罪人の場合でも,決して軽々しいさばき(裁判)をしてはならない。人を殺す刀もまたいかす刀も,君主の心一つにあるのだ。(念には念をいれ,誤りがないようにせよ)]

知恵能は 身につきぬれど荷にならず 人はおもんじはづるものなり [知恵や芸能は身につけても,荷にならずじゃまにもならず,かえって世間の人は,その人を重んじ敬い,自分の及ばないことを恥ずかしく思うものである。]

理も法も 立たぬ世ぜとてひきやすき 心の駒の行くにまかすな [道義も通らず,法も行われぬ乱世だからといって,易きに走りたがる心のままにわがまま勝手放題をしてはならない。]

ぬす人は よそより入ると思ふかや 耳目の門に戸ざしよくせよ [ぬす人はよそから入って来ると思うだろうが,真の恐るべきぬす人は耳や目から入ってきて,心を迷わし魂を奪うものである。心の入口である耳や目にしっかり戸締まりをしなければならない。]

流通すと 貴人や君が物語り はじめて聞ける顔もちぞよき [たとえ自分はよく知っていても身分の高い人や主君,つまり目上の人の話は,初めて聞くような態度で聞くのがよい。]

小車の わが悪業にひかれてや つとむる道をうしと見るらん [怒りや誤った考え方のおもむくままに,本来その人が勤めなければいけない道を嫌がって踏み外してはいけない。]

私を 捨てて君にし向はねば うらみも起こり述懐もあり [私の心を捨て,わが身を投げ出して,主君にお仕えしなければ何か事がある場合,すぐうらみも起こり,不平不満をもらすものである。]

学文は あしたの潮のひるまにも なみのよるこそなほ静かなれ [学問をするにいつということはない。清々しい朝もいいし,気力の充実している昼でもいい。また,静かな夜もいいものだ。]

善しあしき 人の上にて身を磨け 友はかがみとなるものぞかし [善きにつけ悪しきにつけ,人の身の上を見ることによって自分を磨くのがよい。特に友達はわが身を修め正すかがみとなるものである。]

種となる 心の水にまかせずば 道より外に名も流れまじ [罪悪の種となる欲心にまかせなかったならば,道にはずれた悪い名が,世間に伝わることもあるまい。]

礼するは 人にするかは人をまた さぐるは人をさぐるものかは [礼儀をつくすのは,他人にするものであろうか(いやそうではない)。また人を見下げるのは,単にその人を軽べつすることだろうか。いや,自分を見下げることになるであろう。]

そしるにも ふたつあるべし大方は 主人のためになるものと知れ [下の者が主人の悪口をいうのに(主人を大事に思って真心からいうのと,うらみや不平からいうのと)二通りあるだろう。しかし,どちらにしてもたいていは主人のためになると思って,喜んで聞くがよい。]

つらしとて恨みかへすな我れ人に 報ひ報ひてはてしなき世ぞ [(他人からひどいことをされて)つらいからといって,その人に恨みをかえしてはならない。お互いに恨みかえし,報いあっていては,果てしがないではないか。]

ねがはずば 隔てもあらじいつわりの 世にまことある伊勢の神垣 [どんなにうそいつわりの多い世であっても,神様は公平にみておられるから,人々が無理なお願いさえしなければ,人によってわけへだてをなさるようなことはあるまい。]

名を今に残しおきける人も人 心も何かおとらん [この世に立派な名を残している人も,やはり我々と同じ様な人間であり,その人達の心も同じ人間の心で,我々が何も劣っているのではない。]

楽も苦も 時すぎぬれば跡もなし 世に残る名をただ思ふべし [楽しいことも,苦しいこともその場限りのもので,時が過ぎると跡かたもなくなるものである。人たる者は後世によい名を残すよう一心に心掛けるべきである。]

昔より 道ならずしておごる身の 天にせめにしあはざるはなし [昔から正しい道によらずにおごる者で,天罰にあわない者はない。]

憂かりける 今の身こそは先の世の おもへばいまぞ後の世ならん [つらいこの世に生きているこの身の上は,前の世になしたことの報いであると思えば,今の世でなすことは,また後の世の報いとなるであろう。]

亥にふして 寅には起くとゆふ露の 身をいたづらにあらせじがため [昔からよく勉強する人は,亥の刻(午後十時)に寝て,寅の刻(午前四時)に起きるというが,これは,はかない我が身を無駄に過ごさせないためである。]

のがるまじ 所をかねて思ひきれ 時に到りて涼しかるべし [どうしても逃れることが出来ない場合は,命を捨てるものと覚悟を決めておくがよい。この覚悟さえあればまさかの時になっても,少しの未練もなく心は清らかであろう。]

思ほへず 違ふものなり身の上の 欲をはなれて義を守れひと [私欲があると思わず知らず,人道にはずれたことをするものである。自分一身の欲をすてて正しい道を守るようにせよ。]

苦しくと すぐ道をいけ九曲折の 末は鞍馬のさかさまの世ぞ [たとえどんなに苦しくても,まっすぐな道を行き,正しいことをしなさい。もしつづらおりのように曲がりくねった道を歩き不正をすると,その末は鞍馬山の暗い道から逆さまに落ちるような目にあうものだ。]

やはらぐと 怒るをいはば弓と筆 鳥にふたつのつばさとを知れ [やわらぐと怒るとの二つをたとえて言うと,弓(武)と筆(文)。また,鳥に二つのつばさがあるようなもので,一方を欠いては役に立たない。]

万能も 一心とあり事ふるに 身ばし頼むな思案堪忍 [「万能も一心」ということわざがある。どんなに多くの芸能を持っていても,心が悪ければ何の役にも立たぬ。人に仕えるには,自分の才能を頼みにして自慢してはならない。思案し堪忍することが大事である。]

賢不肖 もちひ捨つると言ふ人も 必ずならば殊勝なるべし [賢い人を用い,おろかな人を退けて,良い政治をするという人が,必ずその通り実行できたらまことに感心な事である。]

無勢とて 敵をあなどることなかれ 多勢と見ても恐るべからず [少数の敵だからといって,これをあなどってはならない。また多数の敵だからといって,これを恐れてはならない。]

心こそ 軍する身の命なれ そろゆれば生き揃はねば死す [心こそは戦争するものの命である。味方の軍隊の心が揃えば勝ち,揃わなかったら負けてしまう。]

回向には 我と人とを隔つなよ 看経はよししてもせずとも [回向(死者の弔い)するには味方と敵とを区別してはならない。たとえお経を読もうが読むまいが,それより真心こめてまつることである。]

敵となる 人こそはわが師匠ぞと おもひかへして身をもたしなめ [自分の敵となる人は憎むべき人であるが,また一方から考えると自分に油断をさせず,刺激を与え,自分を磨いてくれるものである。敵こそは自分の師匠であると思いなおして,我が身をつつしめ。]

あきらけき 目も呉竹のこの世より 迷はばいかに後のやみぢは [明らかな目もくらんで,この世から迷っていたならば,死んでから先の世のやみ路はどうなることだろう。]

酒も水 流れも酒となるぞかし ただ情あれ君がことの葉 [場合によっては,酒も水の様にまずくなり,また川の水であっても酒のようにありがたく思われることもある。人の上に立つ者は,たった一語であれ,情のこもった言葉をかけるようつとめよ。]

聞くことも 又見ることも心から 皆まよひなり みな悟りなり [我々がかねて聞いたり,見たりすることも,自分の心の持ちようで,皆,迷いともなり,悟りともなる。(心に曇りがあると真相をみることは難しい)

弓を得て 失ふことも大将の 心一つの手をばはなれず [軍勢の心を得るのも,又軍勢の心を失うのも,ただ大将たる者の心一つによるものである。]

めぐりては 我が身にこそは 事へけれ 先祖のまつり 忠孝の道 [先祖のまつりや忠孝の道というのは,その末は自分自身にめぐってくるものであるが,これは自分が自分に仕えているようなものである。]

道にただ 身をば捨てむと思ひとれ かならず天のたすけあるべし [正しい道のためには,いつでも身を捨てようと覚悟をしておれよ。その真心は必ず天に通じて,神の助けを受けるだろう。]

舌だにも 歯のこはきをば知るものを 人は心のなからましやは [舌でさえも,歯のこわいぐらいのことは知っているのに,まして人間は相手を見る心がなくてよかろうか。]

酔へる世を さましもやらでさかづきに 無明の酒をかさぬるは憂し [この道義のすたれた世にあって,迷いの目をさましもせず,さらに迷いのさかづきを重ねていくのは,残念なことである。]

ひとり身を あはれと思へ物ごとに 民にはゆるすこころあるべし [頼る人もない老人・孤児たちをあわれに思っていたわってやれ。国民に対しては寛大な心,情けある心がなけらばならない。]

もろもろの 国や所の政道は 人に先づよく教へ習はせ [どこの国や村でも,そこで行われている法令,きまり等は国民にまずよく教え習わせておくようにせよ。]

善に移り 過(あやま)れるをば改めよ 義不義は生れつかぬものなり [悪いことがあったらすぐ善い方に直せ,間違いに気づいたらすぐ改めよ。義も不義も決して生れつきではないのだから。]

少しきを 足れりとも知れ 満ちぬれば 月もほどなき十六夜のそら [まだ少し足りなくても満足するがよい。月も満月になれば翌日からは,十六夜の月となって欠け始める。]

竹田神社いにしへの道「島津日新公のいろは歌」四十七の石碑

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