メタボ大王さんの長野県の旅行記
東日本(中部・関東以北)で最古の仏像(弥勒菩薩半跏像)を訪ねて
- 夫婦
- 2人
- 史跡・歴史
東日本(中部・関東以北)で最古の仏像を訪ねて北安曇郡松川村の観松院へ行った。本尊の弥勒菩薩像は国の重要文化財に指定され名称は「銅造菩薩半跏像」。飛鳥時代(7世紀前期)に朝鮮半島(おそらく新羅)で制作されたとしている。見学には事前に村と保存会の許可を得なければならず今回は安曇野へ行った機会に寺だけを訪れた。金銅像は北陸、新潟などに遺されているが、長野県内で有名なものはこの観松院と長野市の旧山千寺観音堂のものでいずれも国の重要文化財である。こちらの半跏像は伝承では万治年間に信濃国安曇郡松川組の組手代・久保田佐次兵衛の屋敷神として祀られた仏堂が起源としているが所有に至る経過は不明のよう。信濃へは高句麗、百済、加耶、新羅から多くの渡来人が入ってきているが安曇地方は一番遅れて入っている。松川村には縄文時代から近代まで遺跡はほとんどなく、隣の穂高に住み着いたであろう安曇族や信濃で最古とされる明科廃寺との関係があるか。この弥勒像をめぐっては「失われた弥勒の手ー安曇野伝説」(松本猛、菊池恩恵著)がその由来を推理している。1年延期された善光寺の御開帳がこの4月から始まるがご本尊は秘仏で公開されず前立本尊が公開される。善光寺のご本尊は三国伝来の日本で一番古い仏像とされているが、一光三尊阿弥陀如来であり、阿弥陀信仰、浄土信仰から平安末期から鎌倉時代に創作されたよう。しかし、善光寺縁起は渡来仏(金銅仏)の多くが辿った歴史そのもののよう。焼かれ、破壊されてもそれを護ってきた人々の歴史が善光寺縁起に通ずる。観松院の弥勒半跏像の姿からも善光寺縁起に通ずるものがある。勧松院の弥勒半跏像が新羅伝来とされ新潟県の関山神社の菩薩立像も新羅明神として伝承されてきたが、北朝の影響を受けた新羅の国家仏教に対して南朝の影響を受けた百済が私家仏教であり、小さな金銅仏を個人で祀ってきた歴史は百済のよう。松本市の桜ヶ丘古墳から出土した金冠が加耶との繋がりを指摘されており百済や新羅に併合された加耶のものかもしれない。対馬には100体以上の渡来仏があるようで、対馬を通して日本各地に渡って行った様子が窺える。
長野ツウ メタボ大王さん 男性 / 70代
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- 1日目2022年1月27日(木)
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新型コロナワクチンの2回接種の証明書を提示することで5千円の割引きと2千円のクーポン付の県民割りプランでリーズナブルな宿泊。大きな施設であるが宿泊者は私達夫婦二人だけ。大きな浴場にゆっくり。日帰り入浴の方は結構多かった。
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施設の庭に青い光のモニュメント。親子連れが何組か来ていた。
- 2日目2022年1月28日(金)
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施設からは朝焼けの常念岳が。今年は大雪だが、樹木に隠れているせいか雪が少なく感じる。
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安曇野の魅力を発信、文化交流のできるカフェギャラリー。営業時間 10:00〜17:00(火曜定休)。安曇野の美味しい水が飲める。朝から水を汲みに来る方が絶えない。
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安曇野から見える山の中でひときわ目立つのが常念岳だ。冬季は雪を被りその存在感は大きい。穂高神社の祭神が常念岳の背後に隠れて見えない穂高岳になったのは山の高さに寄るのだろうか。
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有明山は標高が低く頂上まで森林が続くので雪が降っても白く覆われる状態にならない。全体を俯瞰すると背後の山に溶け込んで存在に気づかないが、いったんその存在に気づくと「安曇富士」「信濃富士」と呼ばれるように優美な姿は和歌や民謡にも取り上げられる。
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観松院
国道147号線を北上し松川村の観松院へ。東日本で最古の仏像を保管する寺はあまりにも簡素。周辺の檀家さんが大切に保管している。左の本堂に祀られていたが、国の重要文化財となり正面の収蔵庫(慈氏堂)に保管するようになったよう。
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本堂が木造トタン葺きあるのに対し強固な造りの収蔵庫(慈氏堂)。見学には村教育委員会への事前の申請が必要。写真は村のHPや検索サイトなどに掲載されている。
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七世紀前半に朝鮮半島(おそらく新羅)で制作された金銅仏としている。
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観松院本堂。本堂内には仏涅槃図や弥勒半跏像が収められていた宮殿があるよう。正式名は「金福山観松院」という曹洞宗の末寺でご住職は尼僧さん。
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ご住職さんにお茶などを出していただきながら寺の由来などを聞くことができた。コロナ以前は近くの美術館に来られた方など大勢が訪れたよう。謙虚で温かいご住職に日本有数の弥勒半跏像が護られている。
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有明山山系と雲に隠れているが燕岳、大天井岳が望める。
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弥勒信仰から北魏や新羅と関係するか。飛鳥、白鳳期にもたらされたものだろうが、焼け爛れた様な部分もあり、廃仏の嵐を経て奇跡のように遺された。中宮寺や広隆寺の半跏思惟像の基になったものではないだろうか。
東日本(中部・関東以北)で最古の仏像(弥勒菩薩半跏像)を訪ねて
1日目の旅ルート
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