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モロさんの熊本県〜宮崎県の旅行記

秋深まる九州中央山岳地域(五家荘・椎葉村・高千穂)を巡る

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何度も訪れている九州ではあるが、今回の九州旅行では熊本県と宮崎県を分ける九州中央山岳地域の秘境を巡る旅を計画した。本来は幾つかの区域に分けて旅を計画するような範囲で、非常に走行距離の大きな旅となってしまった。元々2年程前に計画していたが、球磨川の氾濫により人吉付近での観光や宿泊が難しくなり、延期していたものである。二日目の人吉から湯山峠を抜けて宮崎方面に向かう3ルートの国道は度々の台風で被災し、1つのルート(国道265線経由)を除いて全面通行止めになっていた。残された1つのルートも時間規制されていて、湯山峠の下のゲートで1時間程待機しなければならなかった。その上、そのルートも一部区間が通行止めになっていて、道幅2m程の、岩が露出したデコボコの凄まじい山岳路を迂回走行する羽目になってしまった。今回の秘境を巡る非日常の観光という目的でも少々度を越した、50年程前の東北の山奥を走った記憶を呼び起こす、昨今では中々得られない経験であった。ともあれ、五家荘、椎葉村、美郷町といった通常の観光では訪れることが中々難しい地域を纏めて訪れることができて、語り草になるような非常に面白い旅であった。平年になく暖かく、比較的好天であったことが幸いした。

神社ツウ モロさん 男性 / 60代

1日目2022年11月10日(木)
09:00-10:00

阿蘇・くまもと空港 

益城町(上益城郡)

「阿蘇・くまもと空港 」を   >

九州の旅の起点として幾度も利用している馴染み深い空港である。現在、空港施設の増改築工事が行われていて、仮設施設を抜けてレンタカーの待合所まで行く際に少々迷ってしまった。今回も予定通り到着し、レンタカーの送迎、手続きも遅滞なく進み、順調に旅を始めることができた。

11:00-12:00

通潤橋

山都町(上益城郡)

「通潤橋」を   >

地震と水害により被災し、その復旧工事のために橋上の観光や橋からの放水が中止された状態が続いていたが、工事が完了したので立ち寄ってみた。道の駅通潤橋に車を停め、橋上観光の手形を買ってから、売店の北側の小さな橋を渡って川の左岸に沿って橋に向かった。遠足で訪れた大勢の小学生で賑わっていた。観光用の遊歩道が奇麗に整備されている。遊歩道は橋の袂まで続いていて、橋を真下から観ることができる。非常に大きな石橋である。正対の橋と共に、川面に映った橋も美しい。袂の脇の階段を登る(ここから有料区域)と橋上に出る。橋上には端部に近寄らないように白線が引いてあり、監視員も立っている。とは言え、手摺や柵がないので、高所恐怖症の人には難所かもしれない。橋の両端にある石組みの流路の構造も一見の価値がある。監視員が1時間後に観光放水があると教えてくれたが、後行程に支障するため、諦めることにした。上下左右の色々な場所から観る景観のどれもが素晴らしい橋である。

11:00-12:00

五老ケ滝

山都町(上益城郡)

「五老ケ滝」を   >

当初、通潤橋から歩いて向かおうと考えていたが、監視員のお勧めもあって車で向かうことにした。通潤橋の駐車場からほんの2分程の布田神社前の駐車場に車を停めた。駐車場脇の吊橋入口から小径を標高差30m程下ると吊橋があった。五老ヶ滝は通潤橋の下流100m程の谷に流れ落ちる落差50m程の滝で、吊橋は滝の下流100m程に位置する。橋上からは谷と滝、仙者ケ淵と呼ばれる大きな滝壺の全景が眺望できて、正に絶景である。老ヶ滝川の水量が結構多いことが解る。日光の華厳滝にも似た素晴らしい滝である。布田神社も瀟洒な美しい神社であった。

13:00-14:00

二本杉峠展望所

通潤橋から国道445号線を利用して向かった。車窓からは谷の斜面に奇麗に維持された棚田も見えて中々美しい景色である。美里から3km程進むと道幅は4m程に狭まり、勾配がきつく、カーブが連続する見通しの悪い山道に入る。道幅3m以下の区間も多く、所々で対向車と行違うためにバックしなければならないこともあった。そんな山道を30分程登った右側に比較的広い駐車場を備えた展望所があった。展望所からは北方、今走って来た美里方向の谷筋や山並みが一望できて美しい。

13:00-14:00

二本杉峠 東山本店

二本杉峠展望所から1分程走ると急に視界が開けて、三叉路になっていた。その角に山小屋風の比較的大きな飲食店が建っていて、広い駐車場には沢山の車が停まり、店先で観光客が食事を摂っていた。標高は優に1,000mを超える、正に山奥の秘境であり、登山の身支度をした観光客も多い。冬季は1mを超える積雪があるそうだ。蕎麦が名物のようであるが、薩摩芋と蓮根の天ぷらを買って昼食にした。大きな蓮根の天ぷらは穴に辛子が詰めてあり、ホクホクして非常に美味しい。山道を長時間走って来たドライバーには打って付けの休憩所である。

13:00-14:00

五家荘平家の里

八代市

「五家荘平家の里」を   >

二本杉峠の東山本店から比較的走り易い山道を30分程下った先が五家荘平家の里である。大きな木組みの門の手前に木造の受付棟があり、門の脇に10数台が停まれる駐車場がある。欅などの広葉樹が紅葉の見頃を迎えて非常に美しい景観を創っていた。門の中に進むと3棟の古民家が建っていて、その内の1棟は食事処になっている。左手の高台には芝生の広場があり、平家伝説館と、前面に池を配した能舞台が建っている。どちらも鉄筋コンクリート造りで、山奥には似つかわしくない建物である。平家伝説館の中では、平家の滅亡から落人の里ができるまでの経緯を、フィギアを用いて情緒的に描いている。五家荘では数少ない観光地であり、周囲の紅葉は美しいものの、少々物足りなさが残った。

14:00-15:00

樅木吊橋

五家荘平家の里から更に山奥に1km程上った先の小さな渓谷に掛かる吊橋である。広い駐車場に車を停め、脇の細道を下ると「お弁当」の旗が立つお店があり、その先に吊橋があった。橋を渡り始めると直ぐ下流の下方にもう一つの吊橋が見えた。どちらも幅員1m程、スパンは上流側が少し長く70m程で、対岸の銘板に「あやとり橋」と記されている。下流側は上流側と標高差が20m程あって、同様に「しゃくなげ橋」と記されていた。橋の制限人数は掲示されていないが、少々横揺れが大きな吊橋である。下流側の橋から切り立った山を背景として上流側の橋を観る景観が美しい。お店の裏の10m弱の小山は、大昔に見張り台でもあったような雰囲気であった。

16:00-17:00

永国寺

人吉市

「永国寺」を   >

幽霊の掛け軸があると聞いて立ち寄ることにした。比較的大きな総門が古く、両側2体の仁王像が立派である。掛け軸のある本堂内は無人で、出入りが自由にできる。掛け軸は本堂の左手のガラスケース内に展示され、その前には椅子や説明用のビデオも配置されていた。美しく、物悲しい、如何にもと云う幽霊である。本堂を右手方向に出て廊下を進むと「幽霊が出た」と云われる池も観られる。普通の池の様でもあり、小雨降る夕暮れ時にでも見ると少々怪しい様な池であった。隣接して幼稚園があるせいか、子供連れのお母さんたちが境内を行き交う姿も見られる、地域に根付いたお寺のようだ。

16:00-17:00

青井阿蘇神社

人吉市

「青井阿蘇神社」を   >

2年半程前の水害時には周囲の堀は泥土で埋まり、神社の宝物までが浸水被害を受けてしまった。復旧・復元の作業が急ピッチで進められ、現況は水害の痕跡が見られない程になっている。太鼓橋の掛かる堀には、枯れかけた蓮が茂っている。夕方に訪れたため、境内には灯りが燈されていた。総門、本殿共に茅葺の屋根で、古さと歴史を感じさせる。社殿の外壁が質素に見えるのは、水害の影響であろうか?菊祭りが開催されていて、本殿脇のテント内には、盆栽風などの沢山の美しい菊が展示されていた。想像より非常に境内が狭く、小振りの神社であったが、夕日を背景とした堀や神社の全景が非常に印象的であった。

17:00-

人吉旅館

人吉市

「人吉旅館」を   >

2年半程前の水害からの復旧工事を進め、今春再開されたことを知って宿泊することにした。ほぼ目の前に青井阿蘇神社がある。内外装や中庭等を見ても、水害の痕跡が全く見られない程に奇麗に復旧されている。2階に上る階段の途中に浸水高さの表示があり、被害の大きさに改めて驚いた。案内された2階のベッド付きの部屋の窓からは、直ぐ前に球磨川が見え、対岸の遠くに人吉城跡が観える。少々古さを感じるが、水害の復旧工事で2階も直したそうで、非常に奇麗である。ただ、トイレはウォッシュレットに改装した際に配置を変えなかったようで、少々使い勝手が悪い。屋内風呂と別々の場所にある露天風呂には個室の洗い場があって、シャワーの飛沫を気にすることなく使用することができて、非常に良い造りである。浴槽のお湯が流れ落ちる浅く傾斜した箇所に寝そべって入ると、丁度良い湯温で、非常にゆったりとできて、居眠りしそうであった。屋内風呂も広く、丁度良い湯温で、心地良い。浴槽の縁に枕代わりの丸太が配置された浴槽には、時間が合わず、入ることができなかったのが残念である。1階の食事処で提供された食事の料理は標準的で、特筆する内容ではないが、質量共に十分で、満腹まで美味しく頂くことができた。女性の杜氏が造ったという球磨焼酎が、非常に酷があって美味しかった。翌朝の人吉橋も殆ど見えない程の深い朝靄に包まれた幻想的な景色も美しかった。

2日目2022年11月11日(金)
09:00-10:00

大畑駅

JR肥薩線の駅で、ループ線の途中に位置したスイッチバック式の駅であることから、鉄道ファンには非常に有名な駅である。近年数回の豪雨災害により鉄道施設が被災し、大畑駅付近は現在も不通の状態である。当日最初の観光地で、早朝であったが、既に一人旅と思われる若い女性が熱心に写真を撮る姿も見られた。木造の小さな駅舎の内外壁には来訪者が記した紙辺が隙間なく貼ってあった。島式のホームに渡ると、東側が行き止まりで、西側に勾配のきついループ線がある、スイッチバック式の駅の全体構造が良く解る。早朝の陰影が深い景色が奇麗だった。平坦で、広く明るい雰囲気の駅である。駅の北側には桜の並木があり、満開の時期は素晴らしい景色であろうことが想像できる。円筒形で石組みの給水塔跡も趣がある。給水塔の脇には真新しいカフェもあり、週末には開店しているようだ。是非現在の状態で維持してもらいたい、鉄道の歴史に残すべき施設であると思う。駅の正面に参道がある宮地嶽神社に上ってみた。子山の頂上にある少々寂れた神社であるが、社殿裏の丘が見晴台になっていて、北東方向に開けた雄大な景色が一望できて素晴らしかった。

13:00-14:00

椎葉厳島神社

椎葉村(東臼杵郡)

「椎葉厳島神社」を   >

人吉から国道388号線で向かった。湯山温泉と湯山峠の間が道路工事中で、時間制限の通行止めであった。監視員が立つゲートで1時間程待機して通行できた。湯山峠から下った三叉路を唯一通行可能とされる国道265号線方向に曲がる。道幅3m程の山道を10km 程進むと再び通行止めになっていた。工事関係者に尋ねると、2km 程手前の迂回路を教えてくれた。迂回路は道幅2m程の、岩が露出した山岳路であった。保安設備もない俄作りの様な私道で、迂回路になっているが、「個人の責任で通るように」との椎葉村の掲示がある6km、40分程の道程であった。結局、時間規制のゲートから実走行で1時間半程掛かって椎葉厳島神社に無事到着することができた。椎葉厳島神社は予想外に小さな神社であった。細い石段の参道を登り、順路に従って民俗芸能博物館→相撲場→社殿→鶴富姫化粧の水→鶴富屋敷を廻った。博物館では狩猟や椎葉村の行事の様子が細かく説明され、特に祭りや神楽の紹介と使用されたお面類の展示が素晴らしい。朱塗りの社殿は、思ったより小振りであるが奇麗であった。小さな太鼓橋の横にある鶴富姫化粧の水も趣がある。鶴富屋敷は規模が非常に大きく、非常に太い柱や梁が使用された、重厚な造りである。説明員が居なかったので、勝手に台所の木製の梯子を登って屋根裏を覗いてみたが、真っ暗で何も無かった。神社の参拝だけでは少々物足りない場所である。

14:00-15:00

十根川重要伝統的建造物群保存地区

椎葉村(東臼杵郡)

「十根川重要伝統的建造物群保存地区」を   >

椎葉厳島神社から20分程の、国道を外れて1km程山を上った先にある集落である。少々急な山の斜面の幅200m程に、自然石の石垣で3段程の平場を造り、その上に新旧の長屋のような家屋が建っている。幅50cm程の散策路があり、少々遠慮しながらも、住居の軒先や庭先を通って見て回ることができる。草刈りをしていた住民の御婆さんと女性の二人連れとお話しすることができた。現在11軒程が居住しているそうで、昔から住戸の増減が全く無いそうである。長屋の様な建物の半分は穀物等の倉庫になっていて、別個に建つ小さな建物も倉庫だそうだ。建物が建っていない空き地は畑地である。斜面が南向きなので、少々の降雪でもその日の内に積雪は消えてしまうそうで、夏は真上を太陽が通るため涼しく、冬は屋内に陽が入って暖かく、移住などは思いもよらない住み易い快適な場所である、とのお話であった。地区の前にある十根川神社に寄ってみた。社殿の裏に立つ御神木は樹齢300年、樹高50mの杉の巨木で、真直ぐに天に向かって伸びる姿に圧倒される。

16:00-17:00

高千穂神社

高千穂町(西臼杵郡)

「高千穂神社」を   >

宿泊先にチェックインすると、高千穂神社まで徒歩10分程で行けることを教えてくれた。全く地理を理解していなかったのである。部屋に荷物を置き、慌てて神社に向かった。夕方近くになり、観光客の姿も疎らである。大鳥居を抜けて境内に入ると、参道には燈明が灯っていて非常に美しい景観であった。本殿は重厚で非常に大きい。本殿の左手の小径を進むと深い杉林である。夕日が差し込んで、所々が紅色に輝いて奇麗であった。左折すると高千穂峡に向かう三叉路には山頭火の歌碑が建っている。三叉路を直進すると本殿脇に出た。本殿の右側面の高千穂神社の祭神であるミケヌノミコトの木像は、一見の価値がある凛々しい姿をしている。観光客が疎らな静かな環境で、のんびりと参拝できたことが有難い。

17:00-

高千穂 離れの宿 神隠れ

「高千穂 離れの宿 神隠れ」を   >

車で駐車場に到着すると直ぐに宿のスタッフが迎えに出てきた。嬉しい対応である。住宅地の一角にある宿は、周囲や各離れの棟が中木で囲まれて、別世界の雰囲気である。今回宿泊した内風呂に加えて庭に露天風呂を備えた棟は、ベッドとリビングの部屋が非常に広く、リビングに備えられたフカフカの椅子の座り心地が非常に良かった。内風呂も露天風呂も深さがあって、2人には十分な広さである。風呂の湯量や湯温は手動で変えることができると共に、自動で湯沸かしされているようで、夜中や翌朝でも冷めておらず、気持ち良く入浴できることが嬉しい。大浴場がなくても十分に楽しめる良いお風呂である。アメニティーは必要十分で良好である。庭は周囲を塀で囲われているため開けた景色を見ることはできないが、夜間はライトアップされて落ち着いた雰囲気があり、ウッドデッキの椅子に腰掛けていて心地良かった。管理棟内の食事処の個室で提供された食事は、各料理の器や盛付け方も奇麗で美味しく、配膳のタイミングも絶妙である。夕食のパンパンに腹が膨れた子持鮎の塩焼き、高千穂牛のステーキが絶品であった。通常殆ど食べない朝食は、御粥と卵掛けご飯が美味しかった。宿の全てのスタッフの対応が共通して非常に良く、宿独自の観光案内のコピーを所望した際も快く対応して頂き、有難かった。高千穂神社にも近く、金額に見合った良質なサービスを受けられる、お勧めの宿であると思う。

3日目2022年11月12日(土)
09:00-10:00

くしふる神社

高千穂町(西臼杵郡)

「くしふる神社」を   >

宿の出発を少々早めて、9:00前の参拝となり、神社の鳥居前の駐車場にも殆ど駐車車両がなかった。本殿→万葉の丘→高天原遥拝所→四皇子峰を巡った。鳥居の先の境内は高木に覆われて薄暗い。本殿は大きな造りではないが、右側面に施された竜や虎等の繊細な彫刻が素晴らしく、歴史を感じさせる。高天原遥拝所は小さな区画であるが、森の斜面を見下ろす位置にあって、神秘的な場所である。四皇子峰は少し広い平場になっていて、祈祷の行事が行われていたことを窺わせる雰囲気がある。四皇子峰の入口に神話の神様の系図が記されていて、中々興味深かった。混雑時に訪れたくない神社である。

09:00-10:00

天岩戸神社

高千穂町(西臼杵郡)

「天岩戸神社」を   >

西本宮に参拝した。9:30の到着時点では西本宮の大鳥居脇の駐車場もまだ空いていて、観光バスの姿も見られず、境内の観光客も疎らであった。30分毎に遥拝ツアーが出ていて、待合所で待っていれば西本宮でのお祓いを受け、説明を聞けると共に、西本宮裏手の遥拝所から天岩戸が観られる。今回は中途半端な時刻であったためにツアーには参加せずに天安河原に向かった。西本宮脇から河原付近まで下りて天安河原に向かう参道は、豪雨災害により途中までが通行不能になっていて、天安河原へは境内を出て車道を100m程進んだ先の斜路を下りるルートのみとなっている。斜路と階段を暫く下ると岩戸川の河原に出る。両岸は柱状節理の岩質で、深く浸食されて大小多数の甌穴が見られる美しい渓谷である。岩戸川の支川の土呂久川を渡る橋の付近から下流側を見た景観が非常に美しい。土呂久川との合流部の上流、岩戸川が蛇行する右岸側が大きな洞窟になっていて、その中に天安河原があった。幅20m、高さ10m、奥行き20m程の大きく薄暗い洞窟の奥に小さな祠が建っている。洞窟の底面の至る所に小石が積まれていて、洞窟内部に来訪者の祈願の思いが充満しているような、神秘的な場所である。神話に深く纏わり、渓谷美も見られる、高千穂観光には外せない場所であると思う。洞窟内に朝日が差し込んで奇麗だった。

11:00-12:00

おせりの滝

美郷町(東臼杵郡)

「おせりの滝」を   >

高千穂から国道218号線、県道210号線経由で向かった。道路事情も良く、非常に走り易いルートで、高千穂から1時間程で到着する。耳川沿いの国道から山道に入り700m程進むと滝観光客用の駐車場がある。駐車場に車を停め、尾迫川沿いの小径を150m程登ると滝が見えてくる。結構小さな滝、と思いながら滝に近付き上を見上げて驚いた。見えていたのは滝の最下段のほんの一部で、その上には山の頂部から流れ落ちる幾段もの大きな滝があった。滝の対面の斜面には10m程毎に高さが異なる3か所の滝観台が造られている。2段目、3段目の滝観台からは滝の最頂部付近まで見ることができ、滝全体の合計落差は150m程もありそうである。樹木に囲まれているせいであろうか、流量は結構多いが、不思議なことに滝の轟音は全く聞こえない、非常に静かな滝である。滝観台に「おせりの昔話 ゆどん」が掲示されていて、面白いお話であった。近県の人しか訪れないような非常に辺鄙な場所にある滝であるが、是非1度は観ておきたい滝であると思う。おせりの滝民話伝承館はただのお蕎麦屋さんのようで、入るのに躊躇った。

13:00-14:00

日向岬

日向市

「日向岬」を   >

日向岬・馬ケ背駐車場に車を停めた。駐車場脇の遊歩道で岬を周ることにした。木立に囲まれた歩き易い遊歩道である。200m程進むと岬先端方向と灯台方向の三叉路があり、50m程直進した先に入り江を見下ろせる展望台があった。絶壁に突き出した展望台の床の一部が透明になっていて、スリル満点である。岬を刀で深く切り込んだような高さ50m以上の絶壁の入り江は正に絶景である。更に150m程進むと遊歩道の終点に到達するが、終点の50m程手前からは切り立った岬の尾根伝いで、周囲を遮るものは何もなく、岬や日向灘が一望できる絶景が広がる展望台である。映画「タイタニック」のヒロインになったような気分が味わえる。細島灯台へは少々急な階段を登らなければならない。小さな灯台で登ることもできないが、隣接した展望台からは美しい景色が観られる。灯台から西向きに遊歩道を下ると、100m程で駐車場に出た。クルスの海展望台は日向岬・馬ケ背駐車場から半島付け根方向に1km程の場所である。今回は上側の駐車場に車を停めた。駐車場からほんの少し上った所に展望台があった。中央に願いを唱える鐘が設置されている。展望台の目の前に十字型の切込みの入り江があった。切込みの先の小島と一緒にして「叶」の文字となるそうだ。非常に美しい景観である。岬上に車の周遊道路が造られている上、景勝地点付近には各々駐車場もあって、非常に良く整備された観光地である。

15:00-16:00

不動の滝

国富町(東諸県郡)

「不動の滝」を   >

畑地の中の農道のような生活道路を進むと、不動の滝を示す見落としそうな小さな看板と、車2台分程の駐車場がある。実際は台地に抉られた谷であるが、滝はまるで雑木林のような茂みの中にあるような感じである。観光地に選択したことを少々後悔しつつ林の中の小径を進んで行くと下り坂と階段になっていて、途中には杉の倒木をくぐって降りる箇所もあり、想像以上に深い谷間にできた段差にその滝はあった。谷自体の深さは30m以上もあろうか、小径に分け入る前の景色と比べると別世界へ来たような野趣溢れた場所であった。地上との景観の落差は、世田谷の等々力渓谷にも似ている。滝は落差10m程で、2筋の流れがあって、結構水量が多い。滝の前には山神様を祀る石碑が建っていて、滝行の聖地にもなっているようで、手前にはお祈りや着替えのための小屋も設置されている。滝の真下まで行ってみた。流水は思ったより暖かい。真下から滝を眺めると、滝行をしてみたい気分になった。想像以上に神秘的で美しい景観が観られた、非常に良い観光地の選択であった。

16:00-17:00

宮崎神宮

宮崎市

「宮崎神宮」を   >

帰路の飛行機の時間に余裕があったので立ち寄ってみることにした。神武天皇に纏わる神社である。明治神宮程ではないが、神社の敷地が広く、社殿周囲の樹木は高く茂り、非常に深い森が広がっている。夕刻で、西神苑の駐車場は17:00で閉まってしまうため、30分程の短時間での急ぎ足の参拝となった。既に本殿を見通す直線の広い参道には参拝者の姿も疎らで、非常に厳かな雰囲気の中で参拝することができた。参道入口にある五所稲荷も、参道に赤い鳥居が連なって、中々奇麗であった。

18:00-19:00

宮崎ブーゲンビリア空港

戦後の新婚旅行ブームで賑わった、歴史が長い空港である。初めて利用した。発着ゲートが2ヶ所しかない小さなターミナルで、出発ロビーも比較的狭い。夕刻の出発便であったが、各方面の発着の便が重なって、結構混雑していた。数少ない食事処で、カレーを買って夕食にした。

秋深まる九州中央山岳地域(五家荘・椎葉村・高千穂)を巡る

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