宿番号:305179
登山電車で行く絶景露天風呂の宿 常盤館のお知らせ・ブログ
冬のイベント 「花岡錬三郎の事件簿」プロローグ
更新 : 2010/12/11 19:06
秋の行楽シーズンも落ち着き、仕事もひと段落ついてきた。
12月に入ると冬も本番となり温かい温泉に皆集まってくる。
この楽しいはずの温泉場であんな惨劇が起こるとは、
だれが想像できたであろうか。。。。。。。
外では肌に突き刺さるような風が吹いている。
今日も常盤館は休日の前の日ということもあり、満室で皆忙しそうに
している。
チェックインには少し早い時間に自動ドアが開いた。。。。
なんとも薄汚い格好の男が入ってきた。
服も今では奇抜という言葉が似合うファッションだ。
それでもお客様だ丁重にお迎えせねば。
「いらっしゃいませ。」
男が口を開いた、
「懐かしいのー。えらい変わってはいるがな。」
男がそうしゃべりだした瞬間、
フロントにたまたま通り掛かった社長が男と目があい
お化けでもみたかのように目を丸くして驚いていた。。。。
「おっ!お前は隆ではないか。わしが誰だかわかるかのー?」
薄汚い男は答えた、
「社長のお知り合いの方ですか?」
従業員が社長に聞いてみるも、
そのまま動かない。
そんなにもびっくりしたのか。。。
一体誰なんだろう?
薄汚い男は話を続ける、
「英一は元気か?お前の親父の?」
前会長はもう亡くなっていてこの世にはいない。
しかしこの男、見るからに20代くらいなのに、
なぜ社長に偉そうに話すんだろう???
どっかのお偉いさんか?社長の交友関係であればこんな感じの人物がいてもおかしくはないけれど。
社長はふーとため息をつくと、
冷静に戻ったのか、話を始めた。
「錬三郎大おじさん。」
社長はそうつぶやいた。
「そうじゃ、お前の親父のおじさんになるわけじゃな。」
???????全くわけがわからない??
従業員たちは不思議そうに様子を伺っている。
社長は現在60越えているのだから、仮に大おじさんだとした場合、
100歳はゆうに越えている計算になる。
「戻ってこられたのですね。親父は5年も前に死にましたよ。」
社長は動揺しながらもそう答えた。
「そうじゃったか・・・。」
「すまんがしばらく常盤館で世話になろうかと思ってのう。
金は払うから、部屋を用意してくれんか?」
「わかりました。」
社長がそう答えるとすぐに従業員たちが準備にとりかかった。。。
登場する人物・場所はすべて本物っぽいフィクションです。