宿番号:305475
『祈願の宿』 青島・地蔵庵のお知らせ・ブログ
●昔話・・・・地蔵の田植え@・・・・・
更新 : 2010/1/23 8:50
お地蔵様のお蔭はかけがえなく有難いものです。地蔵庵がお送りする各地の昔ながらのお話、どうぞごゆっくりと・・・。
・・・・・・じぞうの田うえ・・・・・・・・・・・・
昔々、あるところに、良く働く若者が住んでいました。
田を耕すのも、畑を作るのも、一人でしました。
若者は田へ出かけるとき、畑(畑)から家へ戻るとき、いつも村はずれのおじぞうさまに、丁寧に手を合わせて、拝みました。
「有難い。お地蔵様は有難い。お地蔵様を拝んでいると、心が晴れ晴れする。あなたも、拝んでごらんなさい」 村の人にも、こういって勧めました。
「そんなにお地蔵様を拝んで、何か良いことがありますか?」
村の人がきくと、若者は、笑って応えました。
「私は、お地蔵様が好きなのです。良い事が無くても良いのです。お地蔵様のニコニコしたお顔を見ると、気持ちがよいのです」
とある時、その若者が、病気になりました。丁度、田植えをする頃で、一日も遊んではいられない時です。田植えが遅れては、良い稲は出来ません。
「こまったな。早く起きて、田植えをしたいものだ」 若者は、心の中で、お地蔵様に頼みました。
「お地蔵様、病気を治して下さい。私は、早く働きたいのでございます。働くほど、気持ちの良いことはありません」
その晩のことです。
村の人が、若者の田の側を通ると、誰かが田の中に立っていました。
村人が
「こんばんは」
と、言うと、
「はい、こんばんは」
と、応えました。
村の人は、不思議に思いました。
今まで見たこともない、どこかの人です。「何処の人だろうか・・・?」
その人は、次の日も、若者の田に入っていました。
一人で、せっせと田植えをしていたのです。
「こんにちは」
と、いうと
「はい、こんにちは」
と、応えました。
Aに続く