「春の高山祭」3年ぶりに通常通り開催へ　関係者らの会議で決定　豪華な屋台登場「からくり」実施へ

岐阜県高山市で例年4月に行われる「春の高山祭」の関係者らは、3年ぶりに祭りを通常通りの規模で実施することを決めました。

「春の高山祭」は日枝神社での神事のほか、12ある華やかな屋台が屋台蔵から街の中に出され、一部の屋台ではからくり人形の演技が披露されるものです。

高山祭の屋台行事は、将来にわたって保護していくためユネスコの無形文化遺産に登録されていて、開催時には、海外も含む多くの観光客が訪れていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年と21年は、神事のみ行い、屋台を勢ぞろいさせる「曳き揃え（ひきそろえ）」や「からくり奉納」などは中止されました。

高山市の日枝神社には1日、宮本（みやもと）と呼ばれる祭りの統括責任者を中心に屋台ごとの代表者などが集まり、今年の祭りについての会議が開かれました。

その結果、今年は、「曳き揃え」や「からくり奉納」なども実施する通常通りの祭りを行うことが決まりました。

祭りの参加者は、マスクの着用など一般的な感染対策を行って行列などに加わるということです。

ただ、まん延防止等重点措置などにより自治体から感染防止のための要請があった場合には、改めて中止も検討するということです。

2019年の「春の高山祭」には約18万人の観光客が訪れ、地元経済の活性化に大きな影響を与えていましたが、祭りの関係者は中京テレビの取材に対し、「経済効果は理解できる。ただ、コロナのことを考えるとあまりに大勢の観光客が来るのも困る」と複雑な胸の内を明かしました。

一方で、「今年も中止にすると、獅子舞のやり方など、子どもたちへの伝承が途絶えてしまうのではないかと心配している」と開催の意義を話していました。

1日には、会議の前に神社の拝殿で屋台が並ぶ順番を決める抽選が行われるなど、祭りに向けた準備が着々と進められています。

「春の高山祭」は、来月14日と15日に行われる予定です。