宿番号:311424
美ヶ原温泉 湯宿 和泉屋善兵衛のお知らせ・ブログ
御宿情趣「大広間に映る月明かり」
更新 : 2011/11/14 19:53
月は薄暗い中に大地をその明かりで照らすさまに一枚の風景画を呼び起こす、情緒の極致にある自然の球体と言えます。
昼夜の空模様、太陽が上空に燃える明るさと太陽が姿を消した暗さという、対照的な見え方をもちながら、昼間の太陽の明るさを夜の月が受け継ぐことを考えれば似通った感覚を覚えます。
さて、和泉屋善兵衛の大広間には上地瑛一郎先生の作「月明」が床の間に飾られております。本画は平成5年の当館大広間大改修の折に上地先生を師にもつ、昨日ブログにて言述させて頂きました土手内白樹先生よりご紹介頂き、新装大広間の記念の一枚として飾りました。
床の間の白の漆喰の上に、美しい青と、黒をまとった樹海、積雪した木曽御嶽山、そして左上にぼんやりと浮かぶ月の薄っすらとした月明り。
東山魁夷の月を題材にした自然絵画を思い起こさせる作です。