宿番号:311615
東五郎の湯 高東旅館のお知らせ・ブログ
※投稿日順に表示
更新 : 2025/4/26 17:00
15 次の朝、目覚めても、マイルスに手伝ってもらったイメージは、きちんと残っていた それは、手伝って貰ったというよりも、一緒に作ったと云ってもいいのかもしれない 例えば、山下清さんの絵 対象を見て感じ...
更新 : 2025/4/11 2:58
14 マイルスは、カッコよかった 神田川から立ち上る都会の生活臭にも大分慣れたころ、私は、新宿のレコード店で買った「死刑台のエレベーター」に、毎晩のように針を落としていた 今はもうないだろう丸井の6階...
更新 : 2025/3/23 2:35
13 父の首を、やっと振らせて手にしたステレオセット 最初にレコードの針を落ろした曲は、今でもはっきりと覚えている リーモーガンの“ブルースマーチ” 規律あるリズムの中で鳴り響くトランペットの、決意を...
更新 : 2025/3/6 0:55
12 ビートルズとアニマルズで、父の首を半分振らせはしたが、残り半分の夏休みがやって来た 牛である 角がある 人間より大きい 目が充血して、いつも何かに飢えているようでもある そして何より、人の言葉...
更新 : 2025/3/4 4:23
11 音楽は子供の頃から好きだったが、音に魅入られたのはいつの頃だったろう 父のオーディオで、高校時代から「テイク.ファイヴ」やキャノンボール.アダレイの「スコッチ.アンド.ウォーター」を聴いていたの...
更新 : 2025/2/20 22:43
10 そんな、永遠の対峙 その相手がどのようなものであっても、 自分なりに向き合いながら対象を見極め、 私と背丈が同じになったところから自分の中に取り込み、 考え方の基礎にしていく それは、あくまで...
更新 : 2025/2/20 1:17
9 音を耳にしながら、自分の中で追いかけっこ 鬼になったり追いかけられたり一人二役も結構疲れるが、不意に、ストンと心に響いてくる音に出会うことがあり、そんな時は鬼ごっこを止めてしばし耳を澄ます それ...
更新 : 2025/2/19 22:25
8 駆け抜けたものを追いかけた末に、“集中”と云うものが跳ね返って来た 音楽を聴きながら何かに集中する それは、スピーカーから出で来る音に対してというよりも、 自分の中の何かに集中していると云った方...
更新 : 2025/2/19 3:09
7 今日という日の、最後のひと時 眠りにつく前の安らぎの時を、良い音楽空間に身を置きながら、 何も考えず、何も思わず、ただひたすらお気に入りのアーティストに耳を傾ける 深々とした革張りのソファーに...
更新 : 2025/2/19 2:58
6 天から降ったように、ある日突然、我が家に舞い込んだディットン66 正確には、セレッション66 スタジオモニター 驚いた こういう鳴り方もありなんだ...素直な第一印象だった 音が美しい..低域...
更新 : 2025/2/18 0:04
5 若い頃の思い出と共に川渡に籍を移した4301も応急処置とはいえ命を吹き替えし、 程々に音楽を楽しんでいたのだが、程々がなぜか急に度を越してしまった “止せばいいのに”と、“そこそこ”が、どっかり...
更新 : 2025/2/17 22:05
4 新しく加わった4312は、良かった 4301とは一味違い、前に出る強さとメリハリがある こんな風に記しながら、音に対する表現は人それぞれだなぁと思うときがある 音が前に出る強さとかメリハリなん...
更新 : 2025/2/17 16:56
3 翌日、田んぼ仕事の昼休み 近くの金物屋さんに行って、すき間テープをいっぱい買った 嫌な性格で、安いものはどっさり買う癖があり、高いものはなかなか買わない 取り敢えず、どんなふうにすき間に詰めようか...
更新 : 2025/2/17 14:08
数度の引っ越しを経験し、たどり着いた川渡の地 或る日、農作業の昼休みにMJQを流していた時、コニー.ケイのドラムが妙にがさついて、 スピーカーをゴキブリが駆けずり回っているような音がしたのだ 心配でネ...
更新 : 2025/2/17 13:58
昔っからJBLの音が好きだった 何故、好きになったのか未だ不明だが、とにかく好きだったし、欲しかった 今思えば不思議な気もするのだが、聴いたことが無かったのに、好きだった 当然、金が無かったので買え...
更新 : 2025/2/17 0:45
むんずと登った屋根の上 足踏ん張って遠くを見れば 心に沁みる 里の秋 山霞み 稜線ぼやけて目に優しく 中ほどの大きな木 周りに家来を従え適度に気色ばみ 刈り取り後の田んぼ 裸にされて稲株晒...
更新 : 2025/2/16 0:10
十数年前のこと。 中学校の門に足を踏み入れた時、微かに聞こえた遥か昔の自分の声。 重なるように、お世話になった先生や友の声が時空を超えて蘇り、 軽い目眩を覚えながら職員室に入ってみれば、部屋の小さな...
更新 : 2025/2/15 1:07
遠い日の思い出は 皿の上のクロワッサン あなたと一緒に食べたのに 残しちまったクロワッサン 涙が沁みて黴たかな それとも 月日に晒されカサカサと ドアを開いて覗いてごらん ほらほら 思い出に優し...
更新 : 2025/2/14 13:29
ふと思う 若い頃の考え、その核に在ったもの 存在証明というコトバ にあんちゃんの沖村武は「東京もたいしたことナカ」と言い放ち、自己証明をした 倍賞千恵子も、歌を歌いながら下町の太陽を証明した 吉永...
更新 : 2025/5/26 23:18
私の宿は、昔ながらの湯治宿です。 湯治のお客さんから田んぼの仕事を教えて貰い、美味しいと言われる米を作れるようになり、 「肩の痛いの何時になったら良くなるの」と毎日のように言われ続けて療養プランを思い...
更新 : 2025/2/14 13:09
 4つ目が、「哲学の旅」 来し方を踏まえて、これからの自分を見つめ直す旅です。 或は、言い方を変えれば“あてどなく彷徨う旅”のようなもので、 旅先でのちょっとした触れ合いに自分を見つめ直す機会を用...
更新 : 2025/2/14 13:00
「日々の仕事を、事業の核に...」 人が旅をするということは、どのようなことなのでしょう。 それは、或る意味で、単なる“肉体と精神の移動”と云えるのかもしれません。 単純な移動に彩を添える...
更新 : 2025/2/12 3:56
牛は、ことばを話さない だけれども、その牛は涙を流し、 言葉以上に、なにかを訴えていた 牛小屋の段差に躓いて足の骨を折ったのだった 夕ご飯になっても戻らない父を探しに行ったら、 牛小屋に居た 横たわ...
更新 : 2025/1/31 0:03
コンビニに車を止めてアイスを買った レジに行く 棚にアイスを置くか置かないうちに店員さん私の手からむしり取るようにアイスを袋に入れた 店員の顔を見る...ついでに、胸のプレートも 決まり切った言葉を聞...
更新 : 2025/1/29 2:26
何時ということなく、心に浮かぶ一枚の絵 松本俊介の描いた「郊外」 蒼く静まり返った街の中、 静かに佇む四角い家、三つ四つ 窓に映る子供たちが、私を見ている 外には、同い年の子供たちが、同じように私を見...
更新 : 2025/1/28 3:40
ふと立ち止まり、呟く...私は何をしてきたのだろう 時の流れは、静かに消えて、 私の中で異臭を放ち続けるなにか... 限界 捨てるのだ 貯め込んだものをみんな、みんな捨てれば良い そして、残った何...
更新 : 2025/1/25 21:40
木々がゆさゆさ揺れる夜 外は煌々月明かり 窓から身を出し眺めて見れば、夜空にぽっかりお月さま 小さいながらも夜空を照らす、暖かさ 風に飛ばされ、山の向こうに消え行く雲 戻ることのない今だけの営み、夜...
更新 : 2025/1/25 0:56
幼い私が ぽつんと独り 山ん中 年の頃も定かではなく 目を瞑れば 周りを揺らす風の音 今の今まで一緒にいた父や兄が風に溶け 周りの木々を激しく揺さぶり 見たことも無い騒ぐ風 泣いた 一人ぽっちの怖...
更新 : 2025/1/12 2:39
人は皆、大概の年になると、背中に思い出袋を担ぐようになります 丁度、小学校の入学式に背負った真新しいランドセルのように 年をとるにつれ、たくさんの思い出を詰め込んで、思い出袋の底が破けそうになること...
更新 : 2024/11/27 4:46
時計が消えた いつの間にか知らないうちに 音もなく静かに姿を消した 無くして惜しいというほどのものでもなく 野良仕事専用の時計だったが驚くほど正確に時を刻んでいた 二千円もしない安モノでも 手にして三...