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宿番号:311615

里山の時と流れに身を任せ、ゆったりほのぼのふれあい湯治。

川渡温泉 (鳴子)
古川ICを降りたら、国道47号線を鳴子方面へ約45分

東五郎の湯 高東旅館のお知らせ・ブログ

宿泊施設ブログ

  • 床屋さんに於ける、首の転がり具合

    更新 : 2012/12/12 17:08

    鏡に映る自分の頭が、ハサミを入れるに連れて形を整えていく。
    久しぶりの散髪だ。

    ぼさぼさの頭で、毎朝鏡を見るのにも嫌気が射していたが、
    こうして、ゆったりと床屋の椅子に身を沈めて眺める自分の顔も、悪くは無い。

    思考停止状態が続き、いつしかウトウトし始めた。
    遠く、アヴェ.マリアが聴こえてくる。
    床屋のおばさんが、CDを掛けたのに違いない。
    耳に心地よい。
    サラ.ブライトランが、耳元で囁くように歌っている。

    いつしか周りが暗くなり、まだそんな時間ではないのにと思いながらも、
    サラの響きが、一層睡魔を運んでくる。
    そうか、おばさんが、粋な計らいでカーテンを閉めてくれたのかもしれない。
    それをきっかけに椅子が倒され、顔が、温かなタオルに優しく包まれる。
    ホッとするひと時だ。

    タオルの向こうに、剃刀を手にして微笑むオバサンが見えた。
    その瞬間、私の首は、毛の散らかった床にごとりと鈍い音を立てて、落ちた。
    コロコロと音立てて転がる首。
    それを追う、胴体だけの私。
    すると、椅子が起こされて、目の前の鏡が勢いよく反転し、おばさんが耳元でそっと囁く。
    はい、おわりましたよ...
    目を開けると、鏡の中の十歳も若返ったような自分が、微笑みながら私を見ていた。
    優しい笑みで、怪訝な顔した私を見つめる自分。

    そこで何をしているのですか..
    いつからそこに居るのですか..
    これから何処へ行くのですか..

    微笑を浮かべて問いかけてくる自分。
    何も言えずに、ただ見つめ返すだけの私。

    床屋さんで、じわ〜〜っと押し寄せた夢物語...
    首は、無事でした...

    ケニーバレルの、ミッドナイト.ブルーを聴きながら.....

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