宿番号:311615
ドアを開ければ、非日常
更新 : 2020/5/26 2:15
前に立つ男は背が高く、
眼光鋭く私を睨み、
言葉は優しいのだが手には高速回転のドリルを持ち、
またある時は消毒臭い脱脂綿を付けた、先端の異様に尖った金属製の針をちらつかせ、
身体は長椅子に縛り付けられてはいないものの、
傍に立つ女が無言で男の言葉に従い、
これから何が起きるのか眼も開けられず固く閉じたままで、
たまに“ハイ、嗽を”と繰り返すだけの白いコートのようなモノを何時も着こなし、
ドリルの回転を上げて耳元に響かせては威嚇を楽しみ支配者であることを誇示している
あのイスとドリルの響きと無言の女性助手と金属の怪しい光は、恒常的非日常だ
おかげさまで、何でも噛めるようになりました.....