宿番号:311615
東五郎の湯 高東旅館のお知らせ・ブログ
ほらほら、あれ...何処にしまったの?
更新 : 2020/7/31 3:58
弱々しい声で遠慮がちに、
やっとのことで話しているような電話の相手
抱えているものの深刻さが嫌というほど受話器に伝わり、
以前、よく泊まりに来た時とは様相が一変していように感じられた
「一泊でもいいから、毎週来ることが出来ませんか?」
「そうしたいのですが、なかなか仕事が...」
「その仕事をするのでも、健康が一番でしょう?
健康あっての仕事や日々の暮らしでしょう?」
「そうなんですが」と、答える姿が目に浮かぶようだった
このような真面目に暮らす人の、温泉地で自己の健康管理に励む環境の、
なんと狭められてしまったことだろうと改めて思ってしまう
取りざたされている経済再生キャンペーン事業も大事だが、
人として生きる為の最低限の権利でもある自己の健康を取り戻す旅の方が、
温泉地の本来の姿に近いのではないか
経済の回復を語る政治家の言葉も私に響くが、
電話の主のやるせない響きの方が、私にはずしりと重い
人が人であったような地域の暮らしは、何処かに消えたわけではないだろうが、
私の周りに、捜すのが難しい.....