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宿番号:311615

里山の時と流れに身を任せ、ゆったりほのぼのふれあい湯治。

川渡温泉 (鳴子)
古川ICを降りたら、国道47号線を鳴子方面へ約45分

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宿泊施設ブログ

  • 私の居場所

    更新 : 2020/8/5 23:18

    「わたしは どこへ いくのだろう」
    何時ということなく、心に浮かぶ一枚の絵
    松本俊介の描いた「郊外」
    蒼く静まり返った街の中、
    静かに佇む四角い家、三つ四つ
    窓に映る子供たちが、私を見ている
    外には、同い年の子供たちが、同じように私を見る
    手を繋いで何かに対峙している様にも見え、
    楽しくて手を繋いでいるのではないようだ
    そして、子供たちは何も言わない
    ただ、私を見る
    何を考えているのか解らない、子供たち
    同一の表情からは、なにも読み取ることが出来ない
    そんな絵を初めて目にした時、私は絵の中に吸い込まれそうになった
    子供たちが一斉に手を差し伸べ、絵の中に私を引きずりこむのだが、
    なんとか耐えて、こちら側に居ることが出来たのだった
    どれくらいの時間、居ただろう
    蒼く淀んだ時の流れ
    そこに息づく暮らしの色合い
    何も言わず、考えを悟られまいと押し黙る子供たち
    不思議な絵だ
    本当は、この私も子供になり目の前の藍色の世界に同化したかったのだが、
    それも、此処に帰る手立てがあればこその話
    無ければずうっと絵のなかだ
    思案した
    私は長いこと思いあぐね、松本俊介に酔いしれていた
    そして思った、私を絵の中に置いていこうと
    そう考え、こっそりと絵の中に私を押し込め、美術館を後にした
    次に行くときには引き出してやると約束し、
    子供たちに気付かれないように
    そして、思う
    私という君は、どんな風になっているのだろう、松本俊介の中で
    次回、私という君と会うのが楽しみだ
    でも、その絵が何時かは他所に行ってしまうという
    何処に行くのかわからないが、絵の中に押し込めた私という君を取り戻せなくなったら、
    本当の私は、どうなるのだろ.....

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