宿番号:311615
東五郎の湯 高東旅館のお知らせ・ブログ
人は皆
更新 : 2025/1/12 2:39
人は皆、大概の年になると、背中に思い出袋を担ぐようになります
丁度、小学校の入学式に背負った真新しいランドセルのように
年をとるにつれ、たくさんの思い出を詰め込んで、思い出袋の底が破けそうになることもあります
大事な思い出がこぼれないように、人はこぼれそうな言葉を掬い取って丁寧に紡ぎます
紡いだ言葉は光を放ち、人の心に届くのです
それが、詩です
詩は、大事な思い出の鎧になって、袋の中に仕舞った思い出を守ってくれます
若い人は、これから思い出をいっぱい作ることでしょう
思い出袋にも、まだまだ空きがあります
ひとつ年を取り、二つ年をとって、たくさん年をとると、思い出袋がだんだんと重くなります
そんな時、袋の中の思い出を取り出して、掌の平に載せて話しかけて下さい
“まだ、袋の中に居る?”
耳を澄まして、思い出の言うことを聴くのです
“もう、いいよ”と聞こえたら、袋から取り出して遠くの山に埋めるのです
“まだ、居たい”と聞こえたなら、大事に育ててください、あなたの心の中で
それは、あなたの心を優しく包み、あなたが消えても、人々の心に生きるのです
そんな思い出が人と人をつなぐとき、素敵な世界が生まれます
心の中の美しさが輪になった世界
人は、言葉でその世界を築くことが出来るのです
今まで以上の、ちょっとした勇気を持ちさえすれば
ちょっとした勇気で良いのです.....