宿番号:311615
東五郎の湯 高東旅館のお知らせ・ブログ
思い出にも 綺麗な色が...
更新 : 2025/2/16 0:10
十数年前のこと。
中学校の門に足を踏み入れた時、微かに聞こえた遥か昔の自分の声。
重なるように、お世話になった先生や友の声が時空を超えて蘇り、
軽い目眩を覚えながら職員室に入ってみれば、部屋の小さなことにまた驚く。
先生たちの机も、窓から見える校庭も思っていたより小さく、中学生の自分が感じた大きなものたちは何処に行ってしまったのだろうかと思いつつ、目の前に座る先生は自分より若く、なんのことは無い、
いつの間にかこの私が年をとったということか。
人の感性は、年を増すごとに鈍くなるというが、反面、年を重ねながら鋭くなる感性があるとすれば、
それは忘れ得ぬ思い出の中にこそあるのではないだろうか。
小さな自分と大きなものたちが複雑に交錯しながら描き出される遠い日の思い出。
日常、思いがけず顔を出すセピア色したものたちにこそ、感性の源があるような気がしてならない...