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大正浪漫の趣き 天見温泉 南天苑のお知らせ・ブログ
塞(さい)の神
更新 : 2007/12/13 0:02
『塞(さい)の神は、邪霊・疫神、障りをなす邪神を統御する神を信じられたが、
道饗祭、村境の神である道祖神との習合があり。転じて旅行神としても信仰され、
また、反面、祖霊祭の印象は男女会合が背景となって、縁結び、安産の神。子どもの神となって、精神的特徴を伝えるに至る。
祭神 猿田彦(天孫降臨のときの道案内役)
調査文献 石神問答』
地元、郷土有志の会が建てた「塞の神」の説明書きにはこう書いています。
この「塞の神」は、近年修復されたものと聞いています。ただし昔から場所は変わらず、いつからここに存在したかは、地元の人でも知る人はありません。
ここでいう『石神問答』とは、民俗学の柳田國男の著。
つまり、元は邪霊、疫神を統御する神であったが、時代とともに変遷。いろいろその時々の信仰の対象に合理化されて、そのうち安産、縁結び、地蔵尊信仰とも結びついたということですね。でも、これだけではなんのことかさっぱりわかりません。
そこで、中沢新一・「精霊の王」より『』引用
『国家の制度とまったく関係をもたない神として、これほどまで広くこの列島上に分布している神はほかにはない。この神は列島上に国家というものが形成される以前の、古層に属する宗教的思考の痕跡をしめしているものではないか。』
『柳田国男の仮説によれば、「サ」音は岬、坂、境、崎などのように、地形やものごとの先端部や境界部をあらわす古いことばに頻出する。この「サ」音が「カ」行音と結びつくと、ものごとを塞ぎ、遮る「ソコ」などのことばにあらわされるような「境界性」を表現することばとなる。』
外部、または外側の世界。すなわち内部の世界に対する、相対としての異界からくるあらゆる災いや危険を、こちらの世界に入れまいとして境界を塞ぐ表象としての「石」が置かれる。
そして、私の推論は、柚木伸一の「シンボルとしてのトーテミズム」としての「賽(さい)」に行き着くのです。
「シンボルとしてのトーテミズム・『真言密教と古代金属文化』佐藤任 柚木伸一ほか編著」
『古い時代の職能集団も。内部の技術を門外不出として秘匿していたと思われる。その技術ならびに体系の漏出は、直接には死にさらされないでも、集団の基盤を危うくするものであったからだ。当然のことながら...』
をっと!字数制限(><)残念、続きはまた今度...