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延命館のお知らせ・ブログ
”鵜木城址を探訪する”
更新 : 2018/12/12 10:19
今月2日に戦国期の山城址「夕月神社」をテーマとしましたが、原鶴温泉周辺の山や丘には数多く城址が点在します。
国道386号線を日田方面へ車で10分程走ると杷木東林田の右側丘陵地(標高70m)に鵜木城址はあります。城と云っても鉄砲、大砲が普及する前の戦国時代初期は土塁や空堀に掘り立て建物程度で、曲輪全体を石垣を囲み礎石構造物に土壁の恒久的な建物を主体とした近世の城郭とは異なって狭く簡素な造りでした。
鵜木城址は頂上部に東西20m、南北40mの主郭が確認され、その場所に国指定史跡杷木神籠石(昭和47年12月指定)も残っています。
神籠石(神籠石式山城)は福岡県を中心に九州から瀬戸内地方の列石遺跡で『日本書紀』等には記録がなく、成立年代や目的は謎で山城として利用されたものもあり、現在までに発掘された16箇所のうち14箇所が国指定遺跡となっています。
杷木神籠石は全長2.3kmで土塁の崩壊を防ぐため巨石を並べ、北東側の谷部に2箇所の水門が発見され、当時の列石状態を保ち、林道を登ればいまも見ることが可能です。
城址から見下ろす筑後川は絶景ですが、考古学に興味のある方以外は単なる公園と映るかもしれません。