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延命館のお知らせ・ブログ
”山田堰”
更新 : 2019/1/29 9:47
一昨日は急激に冷え込んで終日雪が降り、原鶴温泉周辺の風景はめずらしく白一色に染まりました。
7日前のブログテーマである「水神社」直ぐ下は山田堰があり、大石堰、恵利堰と並ぶ筑後川の三大堰のひとつで寛政2年(1790年)に完成した当時は灌漑面積370haの日本では類を見ない総石張り堰です。
『筑前國續風土記』は「又筑前に水を引て、田をひたさんために、恵蘇の宿に大堰手をつき、此川水をせきあげて水をとる」と簡潔に記され、この時点では堀川用水を開削した程度でしたから規模が違います。なお『筑前國續風土記』は元禄16年(1703年)に編纂されたから総石張りの山田堰完成まで87年の時を要します。
この堰は南舟通し、中舟通し、水吐通しの3つに区分された「傾斜堰床式石張堰」と云われています。
長い年月の間、幾度となく大洪水に見舞われ、昭和28年の大洪水では無事だったけど、昭和55年の水害で堰全体の42%が破壊され灌漑不能となりました。その後、県営事業として6億5千万円の予算を投じ在石使用、総張石コンクリート造りで原形復旧工事による大改修がなされ現在に至ります。
ところで、1月9日のブログで紹介した「秋の田」の歌碑は、以前、山田堰展望広場付近に立てられており、こんな狭い場所に秋の田は広がっていたのかと理解に苦しんだ記憶があります。