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”松尾芭蕉句碑の謎”
更新 : 2019/1/30 14:28
若宮八幡神社境内西側、月岡古墳の後円部墳丘上にある小堂前には江戸時代前期の俳諧師、かの有名な松尾芭蕉の句碑があります。
「花木大明神 百年のけしきを庭の落ち葉かな」、日付は嘉永二年(1849年)十月十二日で、芭蕉が九州へ来た事績はないのになぜ句碑が建てられたのか不思議に思いました。
この句は貞享5年(1688年)6月に近江の明照寺(浄土宗光明遍照寺)で詠んだとされる「百歳の気色を庭の落葉哉」です。
調べたところ「蕉門十哲」のひとり志太野玻(しだやば)が元禄から享保にかけ筑後へ訪れ、芭蕉の顕彰と蕉風の発展、門人の育成に生涯を捧げた野玻の影響で地元浮羽の俳人たちが句碑を建立したと云われています。
なお、同じ句碑は前述の明照寺(滋賀県彦根市)、聖樹院(福島県いわき市)、磯村邸(愛知県豊橋市)などにも存在します。
句碑の東隣りには大きな樫の木(アカガシ、幹周2.5m、樹高推定10m余)がそびえていました。ご神木でもなく古墳にドングリとは妙な取り合わせです。