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延命館のお知らせ・ブログ
志波宝満宮社叢の希少木
更新 : 2019/7/23 11:38
志波宝満宮の社叢には暖地特有の植物が多数群生し、学術的に価値が高く、なかでも、イチイガシ10数本は相当の大木(幹周2〜3m余)であり貴重な樹木です。
また、表参道の石段を上がり境内に入るとイチョウの巨木が2本(社殿の右は幹周3.3m、社殿の正面は3.1m)屹立しています。
宝満宮の説明板によると、自生植物はクスノキ、イチイガシ、アラカシ、ホルトノキ、ヤマモガシ、カゴノキ、ナナメノキ、ミミツバイ、オガタマノキ、モチノキ、ヤマモモ他多数の種が見られます。
なかでも、ヤマモガシ(ヤマモガシ科の常緑高木)は東北地方以西に点在する珍しい樹木で葉はヤマモモやホルトノキの葉に似ており、若木の葉は粗く鋭い鋸歯があり成葉は全縁です。それに、名の由来は果序の様子がモガシ(茂樫、ホルトノキの別称)に似ているから付けられました。
この木は私が調べた限り福岡市及びその周辺では春日公園(春日市原町)と亀山八幡宮の杜(糟屋郡志免町)以外は生態を確認できていない希少木です。
社叢のヤマモガシは古墳へ至る石段左に生えている若木(樹高2m余)と、金比羅宮北側の成木(幹周0.33m、樹高5m)を見つけました。
墳丘東にはホルトノキ(幹周1.17m)も茂り、ヤマモガシの成木が生育する可能性は高いと考えますけど、孫生えはなく、樹高の関係上、葉の観察が不可能なため、残念ながら主幹だけでの判断は無理でした。