宿番号:313921
延命館のお知らせ・ブログ
神の木と出会う
更新 : 2019/8/21 11:10
数日前のことですが、原鶴温泉から国道386号線を車で西へ12分程の比良松に宗像三女神(田心姫命・湍津姫命・市杵島姫命)が鎮座する厳島神社が在ります。
そこでオガタマノキ(招霊木または黄心樹)と偶然出会いました。
よく観察したところ片枝が落雷のため折れて歪な形ですが、幹周1.52m、樹高8m余、主幹の根元は一部腐食状態にも拘わらず樹勢は良好です。さらに、市道を隔てた南側に隣接する平松山圓誠寺(日蓮宗)で、幹周2.1m、樹高10m余、樹齢100年以上といわれるオガタマノキを見つけました。
オガタマノキはモクレン科の常緑高木で和名は神道の「招霊」(オギタマ)から転訛したもので、1円アルミ貨のデザイン「若木」はこの樹と云われており、また、日本書紀「天岩戸」において、天照大神がお隠れになったとき、天鈿女命(あめのうずめのみこと、神楽の祖神)は招霊木の枝葉を手にして舞ったと伝えられています。
現在の神事で奉げる玉串はサカキかヒサカキですが、元来はオガタマノキが使われていました。
ところで、私が知る限り、朝倉市では杷木志波に祀られている麻底良布神社のご神木(幹周2.3m、樹高12m余)を確認したのみで意外と希少木に分類されます。
参考までに、福岡県一は日吉神社(那珂川市)のオガタマノキで、幹周3.8m、樹高27m、樹齢は不明です。
ちなみに、日本一は小長井のオガタマノキ(長崎県諫早市)で、幹周9.1m、樹高20m、樹齢1000年以上であり、樹の上にはムクノキ・エノキ・クスドイゲ・オオイタビ・イヌビワなどの樹木が着生しています。