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南禅寺 八千代のお知らせ・ブログ
実は名作!日本の器 北大路魯山人 福の字額皿
更新 : 2013/4/13 10:53
日本料理に欠かせないものが「器」です。料理を生かすということを考えれば、当然、器の形や大きさ、材質などを合わせなくてはならない。 とても神経を使う世界でもあり、多彩な食器を用いることでも京料理は有名です。 だからこそ、世界的な評価を受けており、京の料理が崩れることがないのではと思います。
今回、ご紹介するのは北大路魯山人【福字文染付飾り皿】のお皿です。北大路魯山人は陶芸家として知られるが、書、絵画、篆刻、料理に精通し、なかんずく食器制作では自身の食通を得手に漫画「美味しんぼ」などで世に多く知られています。魯山人は書家で「福」の字は特に好んで書いています。福皿を千枚作るといっていたそうです。染付けの福の書体はさまざまであり、本物は数十万円もします。魯山人の代表的な作品であり、当時より一度に20名ほどのお料理をご用意する料亭などのために写しが製作され、当館にも40年ほど前から大切に使用しています。
北大路魯山人(きたおおじろさんじん) [ 日本大百科全書(小学館) ] .(1883―1959)
陶芸家、書家。本名房次郎。明治16年3月23日、京都・上賀茂(かみがも)神社の社家(しゃけ)の次男に生まれる。初め西洋看板のペンキ屋を開く。1904年(明治37)東京に移り、同年11月、日本美術展覧会に千字文(せんじもん)の書を出品して一等賞を受け、以後書に打ち込み、29歳からは篆刻(てんこく)も習い始めた。陶芸に手を染めたのは15年(大正4)からであるが、19年には古美術商を営み、翌年春にはそのかたわら会員制の「美食倶楽部(くらぶ)」を発足させ、さらに25年には東京麹町(こうじまち)の星岡(ほしがおか)茶寮の顧問兼料理長として料理・食器の演出に携わるなど、天衣無縫の生活を続け、美的生活に耽溺(たんでき)していった。生涯のなかで書と陶磁器にとりわけ鬼才を発揮した彼は、専門陶工ではない趣味人ならではの当意即妙な意匠の世界に新境地を開いた。しかし基本的には、中国・朝鮮・日本の古陶磁の様式の範囲を離れるものではなかった。窯は北鎌倉の山崎に築き(1926)、星岡窯と称した。昭和34年12月21日死去。
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