みなさま
こんにちは。
近頃すっかり春めいて、日差しも暖かくなって参りました。
伊豆は温暖な気候で年間通して花を見ることができますが、やはり春からは本格的な花のシーズンが始まります。
そして、2018年12月21日にリニューアルオープンを迎えた界 伊東のコンセプトは、「温泉づくし花暦」の宿。
館内にも、季節を感じられる植物をモチーフにした地元作家の作品が、四季を通して館内を彩ります。
これまで、木工・切り絵・織物・ハーバリウム・紙・消しゴムはんこなど、様々なジャンルの作家の方々にご協力いただいてきましたが、その中には伊豆の自然に魅せられて移住されてきた方もいらっしゃいます。
今回は、そんな作家の方々の中で、伊豆に移住し染織家として活動されている、石丸みどりさんのご紹介です。
今から約25年前に、伊豆に生息する植物の多様さに惹かれ、工房を中伊豆に構えた石丸様。
工房の近くの山に入り、様々な植物から染め液を作り、糸を染め、糸を紡ぎ、織りあげる・・・
スタッフも作品作りの工程を拝見しましたが、かなり大変なものです。
植物を採ってきた後は、なんとご自身で火をおこし、かまどで染め液を作り、糸をじっくりと染めていきます。
一度見学とお手伝いをさせていただいた時は、煙に巻かれ、汗水垂らしてやっと・・・といった感じでした。
どんなに手間がかかっても、「自然への感謝も込めて、なるべく機械を使わずに手をかけて行いたい」。
そう話す石丸様の自然への敬意とこだわりが感じられます。
そんな石丸様の作品は、界 伊東では全客室の建具「花暦スクリーン」、2階フロントカウンター上部の照明として、花暦の宿に彩りを添えてくれています。
客室の建具の中央にはめられた織物は、春夏秋冬をイメージし、河津桜や藍、椿など、伊豆に息づく植物で染めた糸で一本一本丁寧に織りあげられたもの。
石丸さん曰く、同じ植物でも季節や気温によって出てくる色が違い、それがまた面白く味わい深く感じられるとのこと。
実際に花暦スクリーンを近くで見てみると、植物が持つ色の多様さと繊細さに気がつくはず。
ぜひ、ご宿泊の際はじっくりとご覧になってみてください!