十年の汗を道後の温泉に洗へ
正岡子規 明治二十九年
皆さま、こんにちは。フロント、高木です。
冒頭の句は、正岡子規の同郷の後輩、小川尚義が大学を卒業して帰省する際、短冊にして贈った送別句です。
道後温泉の別館「椿の湯」には、この句が刻まれた湯釜があります。
さて、本日は、もう一つの別館、飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)のご案内です。
飛鳥乃湯泉は、飛鳥時代をイメージした湯屋です。
外観は、飛鳥時代の建築様式を取り入れた特徴的な造りになっています。
中庭は聖徳太子が詠った「椿の森」を再現し、内装は道後温泉の奥深い歴史に残る数々の物語を、愛媛が誇る伝統工芸や、匠の技で表現しています。
例えば、
エントランスの山門をイメージしたシェードは、手漉き和紙の産地内子町五十崎にて、新しい手法の和紙「ゼオライト和紙」。
浴室にかかる暖簾は、日本三大絣のひとつの『伊予絣』。
浴室の陶板壁画は砥部焼。(※砥部町唯一の国指定伝統工芸士(山田ひろみ)が手掛けています。)
露天風呂壁面は媛ひのきデコラパネルで演出。
浴室の行燈と屋根を飾る鴟尾(しび)は、菊間瓦。
他にも今治タオルで描かれた椿の花や、桜井漆器、伊予簾などなど!
行けば道後温泉の歴史が、そして愛媛が『ぎゅっ』と解ります!
また、泉質は道後温泉本館と同じく、全国でも珍しい加温も加水もしていない源泉かけ流しの「美人の湯」です。
館内は開放的な大浴場と、道後温泉本館には無い露天風呂、また道後温泉本館の皇室専用浴室の又新殿ゆうしんでんを再現した特別浴室を設え、昔の浴衣「湯帳ゆちょう」を着ての入浴体験もできます。
ちなみに、シャンプーとコンディショナーは、『TUBAKI』だそうです。
かなりこだわってますね!
ぜひ、飛鳥乃湯泉で、道後の歴史と、愛媛の伝統を感じてみてください。
※湯帳とは・・・「ユカタビラ」とも言われ、一定以上の身分の人が身に着けたものと考えられ、ユカタの原形となったものです。
※椿は、松山市内の野山や神社に自生し、道後温泉の椿の湯や椿まつりなど、歴史・文化的にも市民にとってなじみの深い花であることから、市花に選ばれています。