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1200年続く幻の湯治の郷 湯郷温泉 季譜の里のお知らせ・ブログ
上座と下座 その1
更新 : 2008/6/27 17:35
現在では、冠婚葬祭か歓送迎会などの時にしか意識することがなくなってしまった、
上座・下座についてお話させていただきます。
日本でははるか昔より、同僚や友達といった横のつながりと、先輩・後輩、上司・部下、
といった縦のつながりを、同じくらい大切にしてきました。
それぞれの関係はリーダーとその他、支配者と支配される人といった2次元的な関係ではなく、
とても整然としていて、より立体的な人間関係を築いているといえると思います。
例えば、言葉の中にヒントがあります。
目上の方に使う敬語、お客様に使う謙譲語や丁寧語がそうです。
「相手を立てる」「謙(へりくだ)る」というのは、人間関係の中で、
自分がどの位置にいるかを示しています。
沢山の人が暮らす社会で、我々は上下左右をみながら、
自らの間(ま)をはかっているのでしょう。
最近は、形式ばった会も敬遠され、懇親会などでもビュッフェ方式が増えております。
私が出張にでかけた時、会議の後で行われる懇親会も、いわゆるパーティー方式が多いです。
一見すると上下関係もなく、気楽にお話できそうに感じますが、
私はいつも困っていることがあります。
それは、誰が誰なのか、まったくわからないということです。
目の前にいらっしゃる方が、旅行会社の方なのか、旅館の方なのか、
近付いて名札を拝見するまでわかりません。
そして、一度宴が始まってしまえば、人と人が入り交じり、目的の方を探すのに困難を極めます。
和式の宴会では、そのようなことはありません。
お客様にとって見ず知らずの私が宴会場に入っても、一番偉い方も、その次に偉い方も、
幹事様がどなたなのかもすぐにわかります。それは、座る位置にルールがあるからです。
一般的には、入口に近い方が下座、お床に近く、中心のお席が一番上座です。
左と右では、左の方が上座になります。
ただし、ここでいう左・右とは、上座の席から見た左・右という意味です。
上の画像をご覧いただくと、お席の順番がわかります。
宴会場前方の3席がお客様。
Cのお席がお客様を迎える側の一番偉い方。
そして左右に分かれて座り、一番入口に近い所が幹事様のお席です。
席の順列に関しては、様々な解釈もありますが、これが基本的なルールです。