桜の木の下には・・・
更新 : 2019/4/9 3:50
先日の週末の土・日(4/6・4/7)で大阪付近の桜が満開になりました。只、散りゆく桜を観賞するのもまた、風情があります。
毎年、桜が満開になる時期に思い出す言葉(一文)があります。それが、『桜の木の下には死体が埋まっている。』という言葉。なぜ、桜が美しいのか?それは桜の木の下には死体が埋まっているからだ。という都市伝説的な一種のうわさ話。皆さまは聞いた事があるでしょうか?誰が言い出したのか分かりませんが、私は幼少期に友人から聞いた覚えがあります。
という事で、元ネタを探ってみました。 すると、意外や意外。知っている方の名前が挙がっていました。その方は『梶井基次郎』。有名な著書に『檸檬』があります。この梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』の冒頭の文章が元ネタになっているとの事。『櫻の樹の下には』は、『桜の樹の下には屍体が埋まっている』の一文から始まります。
『櫻の樹の下には』という小説は桜があれほど美しいのには何か理由がある、と桜の美しさに不安を感じる主人公が、死体という醜いものが樹の下に埋まっていると想像することで不安から解放される、という内容です。 興味のある方は是非読んでみて下さい。
また、『桜染め』という染色手法がその話の元ネタになっているのでは、という話もあります。「桜染め」は、桜の花が咲く前の小枝を炊いたり冷ましたりして熟成させ、ピンク色だけを取り出して染色する手法。昔からの俗説で、桜の花びらはもともとは白いが、桜の木の下には死体が埋まっていて、死体から血を吸うことで桜の花はピンク色になるのではないか、という話があったそうです。
「桜染め」にまつわるうわさ話然り、『櫻の樹の下には』然り、幻想的な美しさを持つ存在には美しいと思うと同時に恐怖を感じ、美しさには何か理由がある、たとえば死体のような対局となる醜い存在があるのではないか、と考えたくなるのでしょう。 それほどまでに桜は人々を魅了するのでしょう。 また、来年も桜に魅了される日々が来ることを願っております。
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