雪融けと共に、飛騨に春がやってくる。梅と桜が同時に咲き乱れそして、飛騨は祭りのシーズンへと進んでいきます。
※19日お越し太鼓 20日豪華絢爛屋台の引き揃え
※お越し太鼓は雨天でも決行
※屋台は少しの雨でも欠行
直径約80センチの大太鼓を載せた大櫓(おおやぐら)を担ぐ数百人の男達、そこへ小さな太鼓が付いた付け太鼓がいくつも先を争って突入して行く。激しい攻防戦を繰り広げる
全国の33件「山・鉾・屋台行事」のひとつとして「ユネスコ無形文化遺産」に登録がされました。
全国に名を馳せる古川祭は、町内にある気多若宮神社の例祭で国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統神事です。この祭は、神社での神事、古式ゆかしい「御神輿行列」が中心となって、”動”の「起し太鼓」と”静”の「屋台行列」が二大祭事として加わり、三つの行事群により4月19日、20日の2日間に渡って盛大な時代絵巻が繰り広げられます。
4月19日の夜、裸の男たちが大太鼓を載せた櫓を担ぎ、激しくぶつかり合いながら古川の町を駆け巡ります。この起し太鼓は、祭りの始まりを知らせる目覚まし太鼓が起源と言われており、時代の変化とともに今のカタチへと変化していきました。
打ち出し会場となるまつり広場に、数百人の男たちによる祝い唄の唱和が響きわたると、いよいよ起し太鼓の始まりです。大太鼓を載せた櫓が動き出し、それを追って各町内の「付け太鼓」と呼ばれる小太鼓が続きます。付け太鼓を大太鼓の櫓に最も近づけて進むことが名誉とされているため、激しい先頭争いが深夜12時ごろまで繰り広げられます。また付け太鼓をくくりつけた約3.5mの棒を垂直に立て、その上で繰り広げる曲芸「とんぼ」も見所のひとつです。
屋台曳行
古川祭の屋台を一言で表すなら、東西文化融合の結晶。江戸からもたらされた屋台が飛騨の匠の技によって高められ、それに京都から入ったからくり人形が加わることで、独自の形式となりました。さらに、塗師の技術や京都の金具、織物までもが取り入れられ、今日見られるような絢爛豪華な屋台が形成されました。
現在、古川には現存している屋台と休台しているものを含め10台の屋台があり、各町内の宝物として大切に管理・保存されています。
20日は、屋台が曳き揃えられ町の絢爛豪華な時代絵巻を展開します。