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【歴史】宇品線「短命に終わった幻の鉄路」
更新 : 2022/6/5 21:05
皆様こんにちは。
広島の陸の玄関「広島駅」が開業したのは、1894年6月10日。東京・大阪方面から広島まで(以下、山陽本線)鉄路で結ばれた瞬間です。
当然、次は更に西の山口・九州方面に鉄路が伸びて...
では無かったのです。
山陽本線が広島迄繋がってから僅か2ヶ月後の8月21日には広島駅から新たな鉄路が開通しますが、西には向かいませんでした。
向かったのは、南です。
前回ご紹介した、広島港の誕生物語。
広島港が完成したのは、1889年11月の事。
当時は隣国・清(今の中国)と緊張状態にあり、前線に近い広島は物資の輸送拠点でした。
大量輸送ができる鉄道と船舶を直接つなぐため、完成したばかりの広島駅から南の広島港宇品に向けて、「宇品線」が開通したのです。
宇品線は専ら貨物専用線として、国内から集まった多くの物資輸送に活躍します。
その後旅客営業も始まり、広島駅から終点宇品駅までの約6キロの間に7つの駅が設けられました。
戦争の影響で何度か廃止と再開を繰り返してきましたが、沿線の学校、大学病院、県庁仮庁舎、工場などへの通勤・通学客に利用されていました
しかし市内の復興が進行するとともに、県庁を始めとする沿線の公共施設が市の中心部へと転出し、人の流れに変化が起きます。
また広島駅と広島港を結ぶ広島電鉄皆実線・宇品線(路面電車)やバス路線が開業すると、次第に宇品線の客足が減少。
1966年限りで定期券を除く旅客扱いが廃止され、6年後の1972年には貨物も含めて完全に廃止されました。
広島で最初に延伸を果した宇品線は、僅か78年で役目を終えました。
跡地は道路が整備され、宇品線の遺構は残っていません。
始発の広島駅では1番線ホーム東側、切欠部の0番線に発着していました。最近迄面影が残っていましたが、広島駅南口駅舎再開発により、その面影を伺い知る事は出来ません。
終点の宇品駅は、宇品外貨埠頭(1万トンバース)付近にありました。単式ホーム1面1線と、複数の貨物用側線を有していた大規模な駅でした。ホームは563mあり、現在日本一の京都駅0番ホームの558mよりも長かったのです。
宇品駅の一部は、今は宇品波止場公園となり、スケートボードを楽しむ若者や、ワンちゃんと戯れる癒やしの場所となっています。
その片隅でひっそりと残る、ここに宇品線があった事を物語る2本の線路。
時の流れを感じずにはいられません。
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