「……から、……うと……んだ」
ある日のこと、厨房から話し声が聞こえてきます。
これは何かイイ話の気配！
すかさず厨房に飛び込んで、
「その話、もう一度はじめからお願いしてもいいですか！？」
　　

〜〜これは一人の少年が料理人を志すにいたった物語（を短くまとめたもの）である〜〜

「私らが子供の頃っていうのは、他の家はどうか知らないけれど
　うちではオムライスだとか、ハンバーグなんてものは珍しくて
　なかなか食べられるものではなかったんだよ。
　それでだろうね、洋食に憧れみたいなものがあったんだ。
　あの料理はどんな味なんだろう、なんて想像してみたりね。
　あの食材をこんなふうに料理してみたい、食べてみたい。
　そんな思いがあったから、シェフになろうと思ったんだ」

「...これインターネットにのせる？......恥ずかしいな」

　少し照れたように話す彼の瞳には、少年のような憧れを抱いた輝きと
　シェフとして洋食を極めんとする探究心の炎が確かに宿っていたのです


※この記事は総料理長へのインタビューをもとに再構成したものです

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