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皆生温泉 皆生菊乃家のお知らせ・ブログ
【長文です】震災から2年(若女将見習いお宿日記より)2
更新 : 2013/3/12 12:53
★その1のつづき・・・
それから1年後、とある地元の団体様の宴会で
私はA様のお姿を見つけました。
見つけたと言っても、実はA様と認識するのに
数分かかってしまったんです。
それは、A様のお顔が震災直後に旅館で拝見したものと
全く違っていたから・・・。
A様は、明るい笑顔で私たちの方に駆け寄ってこられて
「あのときは本当にありがとうございました!みなさんのおかげで、ホッと救われたんです!」
と、とてもいきいきした表情で、そう言ってくださったんです。
二度目に拝見したのがきっと本来のお姿だと思うのですが
本当に一瞬、どなたか分からないほどでした。
交わした言葉は少なかったけれど、
その時に、なんだか自分がここで働いている意味が
分かったような気がしました。
ここにいてあたたかいおもてなしを心掛けていれば
それが傷を負った方の心をほんの少しでも癒すことができるのだと。
毎日働いていると、
自分ができないことを他人のせいにしてみたり
自分のやることがなんでも正しいという気になったり
楽をすることばかり考えてみたり・・・
もしかしたら、大切なことを見失ってしまうことが
あるのかもしれません
私もたまに、見失いそうになります・・・
「自分は何のために誰のために働いているのか?」
そして
「人の喜びを自分の喜びとするために、必要なものは何か?」
あの日のA様の笑顔を思い出しながら、
今日は一日中ずっとそんなことを考えながら過ごしていました。
被災に遭われお亡くなりになった方のことを思いながら、
残された自分はこの世の中で誰のために何ができるのか、
私自身、これからも問い続けていきたいと思います。
長文お読みいただき、ありがとうございました。
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