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湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家のお知らせ・ブログ
/// 風にゆれる「釣りしのぶ」2011.6.15放送 ///
更新 : 2011/6/15 1:05
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
クーラーも扇風機もなかった時代、人々は暑さをしのぐためにさまざまな工夫をしました。
打ち水、すだれ、うちわ片手に夕涼み・・・。チリンチリ〜ンという風鈴の音色とともに、軒先で緑の葉っぱが風にゆれる「釣りしのぶ」も、涼しさをもたらしてくれる夏の風物詩です。
シノブはシダの仲間の夏草で、乾燥しがちな場所でも耐え忍ぶ強さがあることから、その名がついたといわれています。釣りしのぶは、このシノブと苔や竹などを使って、船や筏(いかだ)のカタチに仕立てたもの。風鈴が付いているものは、軒先に吊るすと目にも耳にも涼しさを届けてくれます。
この風流な夏の楽しみを考え出したのは、江戸時代の庭師たち。
大名など得意先へのお中元用に作ったのがはじめといわれ、その後、明治から昭和初期にかけて、一般家庭にも広まっていきました。
今でも、ほおずき市や朝顔市などの縁日では、その姿を見ることができますし、盆栽を扱う園芸店などでも売られています。買い求めるときには、釣りしのぶは生きものだということをお忘れなく。
植物を育てるのと同じように、乾いてきたら水をためたバケツの中に2、3分浸けてください。そうすれば、青々とした葉っぱが風にそよぐ姿を、長く楽しむことができるでしょう。
緑の匂いも爽やかな、釣りしのぶで涼を呼ぶ小さな節電。お宅でもいかがですか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
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