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/// 平忠盛と薫物 ///香りの散歩道2012.6.20放送分
更新 : 2012/6/20 18:35
日本に貴族文化が花開いた平安時代は、香りの歴史にとっても、大きな転換期でした。
それまで宗教儀式に用いられていた貴重なお香を、平安貴族が趣味や教養として楽しむようになったのです。着物に香りを薫き込めるための、薫物(たきもの)と呼ばれるお香づくりが盛んになり、その香りが、身につけた人物の人柄や教養まで表していました。
由緒正しく、優れた薫物の調合方法を集めた書物も編纂され、今に伝えられています。
その中の代表的な一冊「香之書(こうのしょ)」は、平安末期の武将、平忠盛(たいらのただもり)が自ら筆を取って書いたといわれています。
平忠盛は、平清盛(たいらのきよもり)の父。大河ドラマでは中井貴一(なかい・きいち)さんが演じた、平家繁栄の礎を築いた人物です。和歌をたしなみ、笛の名手でもあったといわれる忠盛ですが、薫物についての教養も、貴族社会で台頭するためには必要だったのかもしれませんね。
現在、広島県内で巡回展示されている企画展「平清盛の時代と瀬戸内海」では、平家ゆかりの「香之書」に記された薫物が復元されています。
その一つ、「女御黒方(にょうご・くろぼう)」は、薫物の中で最も格が高いとされる、黒方の香りを復元したもの。白河天皇(しらかわてんのう)の女御、藤原道子(ふじわらのみちこ)ゆかりの薫物といわれています。
機会があれば皆さんも、平成によみがえった、平安の香りを聞いてみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
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