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目にも涼しい夏のごちそう - 香りの散歩道8.15放送分
更新 : 2012/8/15 9:05
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
ひんやりなめらかな口あたりと、みずみずしい透明感。葛きりや葛まんじゅうなど、葛粉を使ったお菓子は、目にも涼しい夏のごちそうですね。
葛粉と砂糖をお湯で溶いて冷やした飲み物、葛水(くずみず)は、俳句の世界では夏の季語。鳥取藩士の息子として江戸で生まれた俳人・村上鬼城(むらかみ・きじょう)も、こんな句を詠んでいます。
「葛水の冷たう澄みてすずろ淋し」
冷たく透き通って見える、いかにも涼しそうな葛の質感が伝わってきますね。
また、徳川14代将軍・家茂(いえもち)も葛水を愛飲していたそうで、「残暑が厳しいから」と、家臣たちにもたびたびふるまったとか。幕末の動乱期に若くして将軍となり、周囲の人々を気づかう誠実な人柄で知られた、家茂らしいエピソードです。
古くから漢方薬としても使われてきた葛は、精進料理にも欠かせない食材です。たとえば、胡麻豆腐。豆腐という名前がついていますが、その材料は大豆ではなく葛粉です。最近は、大豆を使った豆腐に胡麻を加えたものもありますが、本来は、練り胡麻と葛粉を豆腐のよう
に固めたものです。
あのなめらかな食感は、葛粉のなせるワザ。良質な葛を使い、手間ひまかけて作られた胡麻豆腐のおいしさは、暑さで食欲がないときにもありがたいですね。
皆さんも葛の料理とお菓子で、残暑をすこやかにお過ごしください。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
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