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湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家のお知らせ・ブログ
/// 朝野家の秘密「あのねのね」 猩々緋の巻 ///
更新 : 2013/2/18 18:11
朝野家の地下1階の宴会場には、大きな猩猩(しょうじょう)の日本画が掛っています。
作者は朝野家で多くの作品を書いていただいた三輪高英(みわこうえい)画伯、題材の「猩猩」は歌舞伎や能などで紹介されているように酒を飲み楽しく舞う姿を画いている。顔は朝野家会長に似せて画いており、宴会場に飾るに相応しく猩猩緋(赤色-緋色)を中心に金銀などの岩彩を使用しており、豪華でかつ、優雅な色を出している。同色でまとまりやすい服・髪・瓶を後ろの青竹の緑で引き立てているのも見事です。
この作品の面白いのは襖絵で有名な香住町・大乗寺の円山派の八方睨みを使っているところにある。八方睨みとはどこから眺めてもこちらを向いているように見えるトリック的描写で、三輪先生に聞いたわけではないが、少なくとも目、酒瓶、左足の3箇所に使われています。
一番わかりやすい左足で説明すると猩猩の左足のつま先を見ながら左から右に移動していくと不思議なことに平面的な絵のつま先が見ている方の方向を向くだまし絵になっています。
左側から見ると左につま先があり、右側から見ると足は長く右に向きます。
宴会場では楽しくお酒を飲んでいただきたいが、あまりにもたくさん飲むと度が過ぎます。右から左に移動してつま先を見ていただくところから、「どこに行ってもつま(妻)がいつも見ています」
同じように酒樽の上の柄杓は右側にいるときは柄が手前に、右に移動すると右手前に位置しお酒を取りやすいように描かれている。また目も見ている者の方に着いていきます。
各旅館内にはたくさんの美術品があります。ゆっくり見て、話を聞き豊かな気持ちになるのも旅のだいご味ですね。
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