宿番号:326039
湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家のお知らせ・ブログ
一年間お世話になった古暦 香の散歩道2013.12.4放送
更新 : 2013/12/3 22:34
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
師走の声を聞くと、来年の手帳やカレンダーを買い求める人が増えるようですね。江戸時代の人々も、年の瀬になると、「暦売り(こよみうり)」から翌年の暦を買っていたそうです。
「暦売り」は風呂敷包みを背負って暦を売り歩く商売で、京都や大坂などの上方では、巻物のように丸めた巻暦(まきごよみ)、江戸では冊子のように綴った綴暦(つづりごよみ)が主流だったとか。ただし、庶民の多くが買い求めたのは、値段が手頃な柱暦(はしらごよみ)でした。
柱暦というのは、家の大黒柱に貼る縦に長い一枚摺り(いちまいずり)の暦のことで、家を守る「火の用心」の文字が大きく書かれたものも人気があったようです。
それらの暦は、勝手に作って売ることは禁止されていて、幕府の天文方(てんもんかた)の許可を得た暦屋(こよみや)だけが、印刷する権利を持っていたそうです。いろいろなデザインのカレンダーの中から、自分が好きなものを選べる現代からは想像できませんね。
新しい暦を手に入れると、それまで使っていた暦は「古暦(ふるごよみ)」と呼ばれました。けれど、暦の役目を終えても、当時の紙は貴重なものだったので、包み紙やふすまの裏張りなどに使ったそうです。
江戸の暮らしをお手本に、私たちも、一年間お世話になった古暦を再利用しませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
関連する周辺観光情報
20