宿番号:326039
湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家のお知らせ・ブログ
/// 日本茶と蘭字ラベル ///香の散歩道2015.5.6放送分
更新 : 2015/5/6 11:08
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
夏も近づく五月は、新茶がおいしい季節ですね。
ふくよかな香り、鮮やかな緑、ほのかな甘みもある繊細な日本の緑茶は、世界中にファンを広げています。
味や香りの良さだけでなく、健康的な飲み物というイメージも追い風となって、海外に輸出される日本茶の需要は伸びているとか。そのことを知って、日本茶が世界に進出した歴史を調べてみると、「蘭字(らんじ)」と呼ばれたラベルも、海外での人気にひと役買っていたことがわかりました。
幕末から大正時代にかけて、横浜や神戸の港から海を渡った日本茶には、アルファベットをデザインしたラベルが貼られていました。蘭字とはもともと西洋の文字という意味ですが、日本茶の業界では、この輸出用のラベルのことを蘭字と呼んでいたそうです。
西洋の文字に富士山や着物姿の美人画などをあしらった、和洋折衷の華やかな蘭字を木版画で制作したのは、浮世絵の職人たち。明治時代の日本には西洋式の印刷技術もありましたが、当時のインクは匂いが強く「日本茶のラベルにはふさわしくない」と、伝統的な木版印刷が採用されたのだとか。
浮世絵職人の高度な技と芸術性が生んだ蘭字は、欧米で日本ブームが巻き起こるきっかけの一つになった・・・とも言われています。
新茶を味わいながら、そんな歴史にも思いをはせてみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
関連する周辺観光情報
20