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/// 音と香りは夕暮れの大気に漂う ///2017.08.30放送
更新 : 2017/8/30 17:14
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
音と香りは夕暮れの大気に漂う。夏の終わりの暮れなずむ景色が、目の前にふっと浮かんでくるような、とても詩的な表現だと思いませんか。
これは、フランスの作曲家ドビュッシーの名曲のタイトルです。クラシック音楽がお好きな皆さんは、すぐに気づかれたことでしょう。
「音と香りは夕暮れの大気に漂う」は、1910年にドビュッシーが発表した、ピアノのための「前奏曲集第1巻」に収められた1曲です。タイトルは、ある詩人の作品に影響を受けて付けられたといわれているのですが・・・その詩人の名は、シャルル・ボードレール。
ドビュッシーが作曲家になったとき、ボードレールはすでにこの世の人ではありませんでしたが、どちらも19世紀のフランスに生まれ、音楽と文学の世界で、後世に残る香り高い作品を創りあげた人物です。
ドビュッシーが曲のタイトルにしたのは、ボードレールの名作「悪の華」に収められている「夕べの諧調(かいちょう)」という詩の一節だとか。諧調とはハーモニーのことで、この詩は日本でも、多くの文学者によって翻訳されています。
「音と香りは夕暮れの大気に漂う」は、二人の類い稀な才能が生んだ名曲ですが、どのような音と香りが表現されているのか・・・。興味のある方は、できれば夕暮れのひとときに、ボードレールの詩を読み、ドビュッシーの曲に耳を傾けてみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55〜17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
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