宿番号:332775
信州野沢温泉 野沢グランドホテル 〜絶景露天風呂の宿〜のお知らせ・ブログ
デザインの制約について
更新 : 2010/8/19 0:08
いまだに残暑の続く日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、学校の古典で一度は習う吉田兼好の「徒然草」に
「家の作りやうは夏をむねとすべし。」という記述があります。
「家のつくりは、夏をうまく過ごすことを一番に考えましょう」、
ということですが、兼好が住んだ京の都は盆地ですから、
ジトッとした夏の暑さに見舞われる所であり、こういう文章が
書かれたのかと思いますが、この野沢温泉周辺はどうも
この文は当てはまらないようです。
写真は、すくすく稲の育つ野沢温泉の田んぼです。
その中に、赤い屋根の小屋が見えますが、
屋根が蒲鉾型の独特の形をしています。
野沢温泉から北、新潟県方面へ掛けて、この形の小屋を
見かけますが、この形は意味があるデザインなのです。
冬、1mや2mも積もる雪の中、湿った雪に耐えるため、
こんな形をしています。正に「冬をむねとした」つくりで、
こんな屋根を見つけたら、このあたりは雪国なのだなと
思ってください。
逆にいえば、雪のないところでは、どんなデザインの建物も
建てられますが、こちらでは、冬の雪のことを念頭において、
建物のデザインを考えますので、制約をうけることも
あるということですよね。極端な話、家が潰れるくらいの
重さの雪の重みが屋根にかかる訳ですから。
そういう風に考えながら、野沢温泉まで来る風景をご覧になると
また、違った発見があるかもしれませんよ。
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