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信州野沢温泉 野沢グランドホテル 〜絶景露天風呂の宿〜のお知らせ・ブログ
「北信濃のシルクロード」屋代線にまつわる話・3
更新 : 2010/9/20 21:00
以前、北信濃で生まれた絹製品を運んだ「北信濃のシルクロード」として、
長野電鉄屋代線を紹介しましたが、今回もその続きです。
屋代線開業当時、製糸業の街として栄え、その反映の名残として、
多くの蔵が今も残る長野県須坂市は
屋代線と長野電鉄長野線が交わる交通の接点というだけでなく、
車両基地も隣接する長野電鉄の鉄道部門の要です。
その車庫を、平日のみですが、たまに行き来する茶色の機関車があります。
名前を「ED5001」と言います。1927(昭和2)年、日立製作所の生まれです。
(CMソングでも有名なあの電機メーカー「日立」は、実は鉄道車両
メーカーでもあり、今も新幹線を始め、多くの車両を作っています。)
厳密には、すでに機関車ではなく、「機械」という扱いで、工場に入った
車両を押したり引いたりする任務につく「ED5001」は今年で83歳というから
驚きです。一線引いた身とはいえ、現役で動いているのですから、更に驚きです。
開通から4年経った1926年、屋代線は蒸気から電気へ動力を変えましたが、
その翌年に登場した初の電気機関車が「ED5001」です。決してスマートとは
いえない、無骨なスタイルですが、当時はようやく国産の電気機関車が完成した
ばかりでしたが、その最新車両の小型版として、「ED5001」は誕生しました。
そして、前述の絹製品を始め、多くの物資を運びました。
残念ながら、登場から2年後の1929年、ニューヨーク株式市場の大暴落に
始まった世界恐慌の影響で、生糸の需要は激減。日本の製糸業は一気に
衰退の道をたどってしまいました。
代わって、信州特産のリンゴなどを運び続けた「ED5001」ですが、
1979年に貨物輸送が廃止となった以降は細々とした活躍が続きました。
しかし、今も現役というのは、とても貴重で、まさに
「知られざる信州のお宝」ですね。
現在、9月末まで「野沢グランドホテル」では、マイカーを屋代線松代駅に置き、
フリー乗車券でローカル線を訪ねる「北信濃ローカル線でスローな旅プラン」を
実施中。旅行中、ひょっとしたら、動く「ED5001」を見かけるかも。
(土曜・休日は工場が休みのため、動きません)