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コウノトリ野生復帰 〜豊岡の挑戦〜
更新 : 2011/3/15 17:43
【豊岡市の概況】
豊岡市に人口は89千人。面積は約700平方キロと兵庫県内では最大。地場産業は「かばん」そして観光業、農林水産業も盛んです。
【コウノトリとは】
コウノトリは羽根を広げると約2mにもなる大きな白い鳥です。肉食でフナ、どじょうなどの魚類をはじめカエル、バッタなどの小動物を餌としており、飼育下では1日に約500g(ドジョウなら80匹)を食べる大食漢である。コウノトリの生息数はロシア・中国を中心に世界で約3000羽と推測されていて、「近い将来に絶滅の危険性の高いもの」に指定されている。
【コウノトリの絶滅と復活】
かつてコウノトリは日本各地の空を舞っていた。国内最後の生息地となった豊岡でも1930年代の60羽を頂点に年々減少していき、昭和46年に最後の個体が死亡し姿を消してしまった。絶滅に先だって昭和40年に人口飼育をスタート。しかし人口飼育を始めて以来なんと24年間は来る年も来る年も1羽のヒナもかえらない日々が続いた。転機が訪れたのは昭和60年。ロシアから6羽の幼鳥が贈られ、カップルが誕生し平成元年についに待望のヒナが誕生した。以後は毎年ヒナがかえり現在では飼育コウノトリは98羽となった。
【コウノトリ野生復帰がめざすもの】
コウノトリ野生復帰は世界にも例のない大規模プロジェクトである。なぜ膨大な時間とコストをかけて豊岡は取り組みを続けてきたのか。第一は「コウノトリとの約束を果たすこと」。最後のコウノトリを捕獲して人口飼育を選択した時、いつかきっと空に帰すと約束した。第二は「種の保存に関し、国際的な貢献を行うこと」。地球上の多くの野生動物が人間の手による環境破壊によって絶滅に至っている今日コウノトリという種を保護することは国際的な責務である。第三は「コウノトリも住める環境は人間にとっても素晴らしい環境であること」。コウノトリを野生復帰させるためには、里山や田んぼ、河川や水路に多様で膨大な生き物がいる。農薬を多く使った農法では、小動物も死んでしまうため農業の方法も大きく変化した。コウノトリが野生で暮らせる環境はそこで暮らす私達人間にとっても素晴らしい環境なのである。
今ではコウノトリ育む農法を確立。無農薬や減農薬米が作られ、コウノトリをツーリズムも推進し、環境産業が豊岡にやってくるようになった。「小さな世界都市」を目指して豊岡は挑戦を続ける。
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