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信州湯田中温泉 よろづやのお知らせ・ブログ
禅の達人、生死を超えんとす。 らいてう3
更新 : 2010/6/9 8:24
尾頭峠を目指して
雪山を登り続けた二人でしたが、
日頃から運動不足の森田は
疲労のために
へたり込んでしまします。
やがて日も暮れ、
森田はウイスキーの酔いもあり
雪の上で眠ってしまいました。
それは静かな満月の夜でした。
らいてうは
月明かりに浮かぶ
白い峰々の荘厳さに打たれながら、
一晩じゅう雪の上で
坐禅をして過ごします。
そして翌朝、
捜索に来た警察官に見つかり
保護されるのです。
近くには
クマの足跡も
あったそうです。
これが有名な
「塩原事件」の真相ですが、
マスコミは事実を誇張して
書きたてました。
一方、責任を感じた森田は、
夏目漱石らの計らいで
らいてうに結婚を申し込みますが、
一蹴(いっしゅう)されます。
では、なぜ彼女は
峠に向かったのか。
これは
らいてう「最大の謎」と
されてきました。
ただここで、
らいてうを語る上では
欠かせない要素があります。
実は彼女、
この事件の3年前、
19歳のときに
「禅」に出会い、
世界観がガラリと変わっているのです。
哲学の世界に
物足りなさを感じていた彼女は、
禅の師匠のもとで
猛烈に坐禅に打ち込み、
様々な境地を体験します。
だから「怖いもの」が無い。
彼女にとって
世間の風評などは、
「取るに足らぬもの」
でしかなかったのです。
では、それならなお、
この事件の意味は
何なのか。
わたくしは
「禅の達人」と呼ばれる人に、
らいてうの心境について
質問したことがあります。
するとその人は
こう言いました。
「瞑想が深まって
ある一定の境地に達し、
世間に対する欲や執着が落ちると、
今度は自分が
死を恐れない人間になっているか、
確かめたくなるのです。
らいてうにとって森田は、
自らを試すための
契機であった
といえるでしょう」
らいてうは
「相手が理解できること」しか
話さない人でしたので、
多くの誤解を受けていますが、
多分これが、
塩原事件の
真の動機だったのではないかと
思われるのです。
そして事件の後、
しばらくして彼女は、
とてつもない
神秘体験をすることになるのです。
(続く)
※ 写真は信越トレール、
久々野峠から見た
残雪と新緑の
鍋倉山です。
ブログ担当 ミソサザイ
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