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宿番号:337933

★じゃらん売れた宿大賞1位受賞★ほっとする佇まいで味わう。

西武秩父駅下車西武バス定峰行栃谷下車徒歩5分、orタクシー10分、関越花園IC秩父方面35分。

秩父 旅籠一番 〜酒と料理を愉しむ古民家旅館〜のお知らせ・ブログ

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    落柿の音2

    更新 : 2013/3/1 15:35

    声をかけると、
    「おおっ小三郎殿、お役目ご苦労でした。」と堂々とした声が聞こえ
    その重い杉戸を開けると、義父であり先の筆頭家老がいた。銀初で髻もしっかり締め
    目の鋭さはいくらか柔和にはなったが、いまから、14,5年まえ
    藩政を守るために、側用人、三上采女一派おおよそ15人先を
    葬ったあの豪腕家老の面影も近頃は薄れてきた。
    「いかかがした。」
    「はあ、少し父上にご相談義ありまして。」と後ろに下がり
    座り、懐より江戸屋敷の野上三左衛門よりの書状を出し
    義父に渡した。その手紙の内容は江戸外堀新見付の橋の
    補修の手伝いがほぼ秩父藩と決まりそうと、藩主と姻戚
    の稲葉摂津守より内々に伝えられたことだった。
    実は一昨年も西の丸の橋の補修の手伝いをなした
    ばかりで、藩の蔵はもう尽きていたのが現状だった。
     読み終え、目元を婿である播磨に戻すと
    「うん。困ったのう。」と腕組みをする舅だった。
    「そこで、お役が回避できるか、もしくはお手伝い
    するとしたら、商人より工面するしかありません。」
    「うん、わしが江戸に行き、大目付、老中の腹を探ってこよう。」
    「そうしていただくと、心中軽くなりまする。」
    「ああ、明後日にも江戸に向かう。ところで、小三郎殿を
    当家の婿にするに際し、いささか無理な事、つまりお前さま
    が決まっていた婿入り先を強引に止めさせたことがあったな。」
    「はあ。もう済んだこと。」
    「うん。まあ、その節は悪かった。それで、今日、前の蔵奉行
    から聞いてきのだが、小三郎殿の後に婿に入った依田喜左衛門が
    江戸で粗相をして、切腹になったらしい。」
     小三郎こと播磨は先ほど義父に相談した件より聞いたことに
    より驚いてしまった。元の許嫁、千世が心配になった。

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