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THE BLOSSOM KYOTOのお知らせ・ブログ
【ストーリー│Vol.1「繊細な京ぬいの世界ー下」】
更新 : 2022/12/1 17:16
当ホテル公式HPでは、ホテルに携わるさまざまな京都の”匠”の想いをつぶさに紹介する「ストーリー」ページを設けております。当アカウントでは、公式HPでは載せきれない情報や取材の裏側をご紹介していきます。
今回は、前回に引き続き地下1階ゲストラウンジにて展示をしている「京ぬい(きょうぬい)」についてご紹介。
展示作品をご制作いただいた長艸純恵氏に、お話を伺いました。
「嫁いでからこの道一筋につとめてまいりました。技術を継承する大切さ、大変さを受け止めつつ、主人の創造とはまた違う世界を表現しています。私は優しい、女らしいものを作れたら良いな…と思い、『生涯乙女』の気持ちで制作にあたっております」
まさに今回ご制作いただいた作品には、乙女の美しさが表現されています。王朝時代の雅やかな姫君の姿と共に、京都の四季を伝える植物、梅、桜、藤、そして紅葉が描かれ、華やかさの中に優しさに満ちた図案に、長艸氏ならではの世界を感じます。
つぶさに見れば、刺繍の厚み、立体感も伝わってきて、一刺し一刺し、気の遠くなるような時間をかけた緻密な作業の積み重ねでこの美が生まれていることを実感し、思わずため息がもれる美しさです。
「京ぬいの特徴は絹糸を使うことで、撚り方によって太さを変えるのですが、この調整には神経をつかいます。糸の太さで変化が生まれ、縫い方にも変化が生まれます。技術を重ね合わせて表現しているものですので、その面白みをご覧いただければ嬉しいです」
多彩な色使いも特徴で、長艸ぬい巧房で使われる色は、八千色近くにのぼるとか。糸、技法、配色、すべてにこだわり抜き、鮮やかな手仕事で生まれる唯一無二の作品。重ねられた時間の分だけ豊かさに溢れ、見る人を魅了します。